空漠



力なく。影なき影を幾度殺して、姿無き屍を幾度抱いたか。無意味に踊り、手の先は所在のないまま行方も知れず。小さな遊戯すら認められぬ癖に其れで如何して是程まで育つて来られたのだらう。意思なく動かした爪先が川底の砂を濁す度に罪を得た。痛みを点す頭蓋は只管月を僻む。進撃を忘れた踵が音を立て色の無い水を跳ね上げた・・・無色、それは暗闇より恐るべきことですとあの日貴方は呟いて。徒に吹き冷ましたあの滾りを我我はもう手にすることが出来ない。全てを孤独に負はせて逃げた。過ぎ去つた僕の分身に。










08323

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!