蒼光を恋うこと
安易に晒した傷口から
徐々に
じくじく
じくじく
と、膿んでいった
都合の良い果実
真っ赤な果実から
ざくざく
ざくざく
と、消費された
アイデンティティ
その手の幻想
夕暮れ
からめとられて
じきに夜が来るよ
たすけて、
子宮に陰る
その悲鳴が
あわいで澱んでは
浅黒く沈着する
誘蛾灯のそれに似た美しさ
けれども、
近づけない
(途方 2009)
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