ロストウォーリア短編 友達の一歩先は/恋/ともパロ【ロゼ→唯♀】 あんたがもし、あんたがもし…僕と同じ気持ちならば… --- 「ねえねえ、見てよ!この子超可愛い!」 「だよね!でも僕はこの子派だなぁ…」 二人の時間は、僕を満たしてくれる。 はじめて気づいた。この気持ちは何だろう…。 「いやいや、やっぱり私はこの子が好き!だって可愛いもん!」 僕から見たらあんたのほうが可愛い気が…って、何考えてるのさ、僕は! 同じ女の子にこんなこと思う僕、やばくね…? 「あ、ローゼちゃん真っ赤だ…可愛いよ」 つぶらな瞳でこちらを見るものだから、思考が止まってしまった。 彼女の笑顔は、考えてたことを全部吹き飛ばす…本当に怖いな。 「そ、そうか!?僕、めっちゃ元気だし、熱もなさそうだけどな…」 「よかった…けどさ、辛かったら無理しちゃダメだよ?」 心臓の音がうるさい。体温も上がってきた気がする。 「や、やっぱり部屋に戻るな!風邪とか引いてたら…うつしちゃ悪いし…」 一緒にいると、僕がおかしくなりそうだ…内心そう思いながら、足早に彼女の部屋を去った。 この気持ちを自覚してしまった日から、ずっと考えている。 こんなの、いけないだろうな…。 それなのに、彼女の言動にふれる度に、僕の気持ちは加速していく。 抱いた想いに素直になれるわけがなかった。 「あ゛ーっ!僕の馬鹿っ…!」 布団にくるまり大声で叫ぶ。こんな気持ち、絶叫とともに飛んでいけばいい…! でも、そんなんじゃ彼女への気持ちを振り切ることはできない。 それに気づいたとき、我にかえる。そして、この声が誰にも聞こえてないことを祈った。 「何でお前なんだよ…」 瞳を閉じると、浮かぶのは彼女の顔だけだ。 それが辛くて―嬉しかった。 考えに考えて、僕の結論はこうなった。 やっぱり、自分の気持ちに嘘はつけない。相手が誰だとしても…。 いつか僕が他の誰かを好きになっても、今の気持ちは間違っていないはずだ。 ―君が、唯凪が好きだ。 明日会ったら、伝えてみようかな。 このごく普通の気持ちをさ。 --- あんたがもし、あんたがもし、僕と同じ気持ちなら。 ―全てを乗り越え、通じ合えると思うんだ。 [*前へ][次へ#] |