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ロストウォーリア短編
記念日【はゆメグ】
今日は僕らの記念日…君はちゃんと覚えてる?

朝早くに起きて、森を抜けて電車に乗って、僕らは街の外れまで向かう。
そんな車両内、僕たちの会話は弾む。
「これでもう何回一緒に出掛けたんだろ…」
「100億回くらいかな?」
「それはないでしょwww」
時々もたれかかってくるメグの顔が可愛らしくて、僕まで幸せになる。
さっきまで話をしていたと思ったら、もう寝てしまったり。忙しいなぁ、もう!ww
そう思っていると、もう目的地まで来たようだ。
「おーい…起きてよー、降りるよー?」
「んー…はゆたぁん…」
寝起きの破壊力。起こしたのがもったいないくらいだ。
「メグ可愛い…」
そっと頭を撫でてみると、くすぐったそうにしている。その仕草にまた惹かれる。
電車を降り駅の外へ出ると、緑豊かな街並みが僕らを迎えてくれた。
確か、ここが初デートの場所だっけ…。
「早くー!はゆたん行こ?」
「う、うん!」
駆け出すメグを僕は追いかけていった。

もうすぐ日が暮れる。
夕焼けが綺麗に見える丘で、僕たちは空を眺めていた。
ここにいられるのもあと少し。早く伝えなきゃ…。
「あのさ…」
緊張してきた。告白した時みたいに。
「何、メグ?」
「今日ってさ、何の日か覚えてる…はゆたん?」
「もちろん、僕らが付き合い始めた日でしょ?」
即答だった。それが嬉しくて、つい抱きついてしまった。
「メ、メグ!?」
「はゆたん…」
長い間抱擁を続けていたが、はゆたんが少し苦しそうなので離した。
「ご、ごめんね…」
「大丈夫だよ、それより…」
はゆたんが何かをしようとしている。それが何かわかる前に…
「結婚しない?」
「えっ?」
「僕たちだけの…結婚をさ…」
予想していなかったその言葉に、思わず涙が溢れる。
「…もちろん、だよ?」
僕が頷くと、いきなり押し倒されて左手をとられた。
満天の星空に照らされて、指輪が輝いている。
「へへ…綺麗だね、空…」
「メグのほうが綺麗だよ…」
「もうっ、照れるじゃん!」
きらきらと煌めく星たちは、二人を祝福するようだった。

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あきゅろす。
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