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ロストウォーリア長編
蒼杏/家族でお出掛け
あの告白から、もう1か月ほど経っただろうか。
今日は、子供たちも連れて近場に出掛けることになった。

「うわぁ…!綺麗!」
紺碧の海にほど近い、大きな噴水のある公園へ到着する。俺は自分の娘と息子の手をとりながら早速車から降りる。
まず声を上げたのは織姫。蒼月の娘だ。3歳になったばかりだというが、言葉は流暢だ。
「おい、待ってくれ…転ぶぞ?」
慌てて蒼月が追いかけるが、織姫の足は速い。運動が苦手な蒼月とは大違いだ。
きっと嫁さんに似たんだろう。そう思いながら双子の様子を見ていると、
「んー」
伶寧―双子の弟のほうが噴水の方角へ手を伸ばす。泳ぎたいのだろうか。しかし、水着は持っていない。
「どうした?」
問いかけてみると、指差した方向には織姫。一緒に遊びたいということらしい。
それを汲み取ると俺はすぐに織姫に声をかける。
「織姫ちゃん!こっち来てよ!」
無視をされた。だがこちらの声が聞こえていない可能性もあるので、もう一度名を呼ぶ。
「織姫ちゃーん!」
「おじさん、誰?」
やっと反応してくれたが、とてつもなく冷たい。そういう性格だろうと割りきるが、これからの生活が不安だ。
しかし、返事はくれたので用件を伝える。
「伶寧が遊びたいって…」
「りあんも!」
言いかけているところに、伶寧の姉、莉杏が割り込む。
「いいよー!りあちゃ、れいくん、遊ぼ!」
織姫は笑顔で双子のもとに駆け寄る。
俺の時に比べ、一気に態度が変わっている。大人が嫌いなのか、それとも…。
だが莉杏や伶寧と仲良くする織姫を見て、とりあえず大丈夫だと安心した。
「大丈夫かなー…」
ひとまず両方の家族はそれぞれに受け入れられたということにしておこう。

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あきゅろす。
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