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シニモノ  10.06.14
こんなにも幼い君が
僕を置いていくなんて
透明な蒼い空を
見上げ想う夏の日

「愛の形は熱が全てじゃないの」と
君は笑う
僕はその言葉をどれだけ
自得と責めただろう

君の意識が失くなった時
互いの存在すら離れた気がして
呼吸はすれど 光が見えない
教えておくれ か弱い僕に
これが君の望んだ未来?

こんなにも近くの君に
指は触れているのに
透明な細い管を
引けば楽になれるの?

「愛の形は熱が全てじゃないの」と
君は笑う
僕はその言葉を歪めて
自得と変えただろう

君の目蓋が重く沈んだ
うるさいフラットさえ聞こえぬ場所へ
呼吸は途絶え 光はもうない
教えておくれ 醜い僕に
これが僕の望んだ二人?

「蒼い空はいつも貴方を見ている」と
人は嗤う
僕はその言葉を聞いても
痛みも感じない

冷たい風が頬を殴った
戸惑う感情さえ流れる場所で
繋ぐ手はなく 繋がれた腕
教えておくれ 殺されたのは
死んでいるのは誰か
誰か、
誰か、

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あきゅろす。
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