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スナアラシ  09.03.16
君の居ない部屋は
どこかひやりと冷たく
肩寄せ合った温もりも
消えてしまったようで

雪が落ちる街の
寂びた路地裏見つけて
拾い上げたはずだった
捨て猫に捨てられて

失った体温を
取り戻そうともがいてみても
凍りついた足が意思を拒む

ただの埋め合わせでしかない
まるで自分のようで仕方無い
遠くで聴こえた汽笛が
鼓膜の奥で拡張する

鍵の開いた部屋で
抱いた二人の関係
危惧孕む利害一致
気付かないふりをして

失うが理と
寂しさなんて馴れていたのに
忘れさせた君を忘れられず

ただの埋め合わせでしかない
まるで自分のようで仕方無い
遠くで聴こえた汽笛が
鼓膜の奥で拡張する

どうでもいいはずの眩暈が
次第に抑えられなくなって
近くで聴こえた鼓動が
孤独の胸を膨張させる

ただの埋め合わせでしかない
まるで自分のようで仕方無い
遠くに消えてく姿が
初期衝動を否定する

どうでもいいはずの事態が
次第に大きくなっていき
近くにあるはずの姿を
覆い隠して捻曲げる

流れるは雑音の波
流れるは雑音の波

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