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BSR
小十郎×慶次
どうしようも無く最低な気分だった。
小十郎は足もとにあった石を思い切り蹴飛ばすとそれでも収まらぬ怒りをどこにぶつけようかと辺りを見回す。
ふと視界の端に映った男に思い切り皺の寄っていた眉間が急に緩むのを感じて小十郎は自分でも少し、驚いた。
遠くからでも分かる派手な格好で蹲っているのは間違い無く、小十郎をいらつかせる原因そのものである前田慶次だった。
苛立つ原因の相手を見て表情を緩めるというのも変な話ではあるが実際にそうなってしまったのだから仕方がない。
おい、と声を掛けると涙の溜まった目を慶次は此方に恐る恐る向けた。
(その目にたまらなく欲情する、)


「お前、居たんなら声くらい掛ければ良いだろう。」
「だ、だって、あんたが、声掛ける間もなく石ぶつけてきたんじゃないか!」
「事故だ。そんな所突っ立ってるお前が悪い。」
「悪い、だなんて。」

酷いや、と涙を慶次は地面に落した。
頬に伝う涙の存在を、慶次は気が付いているのだろうか。
それともまだ痛みがその頭を支配しているのか、
舐めてやったら流石に気が付くだろうかなどと考えて思い切り顔を近づける。
憎たらしい事に、ああ、やはりその顔は綺麗だった!


「お前のそんな痛みなんて、気にならなくしてやろうか。」
「え、ちょっと、色男さん、」
「目は閉じとけ、お前はそれだけしてりゃあいい。」
「何考えてんだよ、あんた、こんな所で!」
「お前こそ何をされると思ってそんな事聞いてんだ。」

閉じろと言ったのに目を見開いたままでいる慶次に仕方がないと目尻の、眼球の直ぐ傍に舌を這わせる。
びくりと流石に目を閉じたようで眼球が逃げるように動くのを感じた。
涙を辿って頬、顎、それから更に下へ、
慶次の涙は不思議なほど甘く感じて舌を肌から離してやっと涙では無く慶次そのものが甘く感じたのだと気付く。
団子なんかをあんな風にばくばくと食っていれば肌まで甘くなってしまうものだろうか。
(それはあまり喜ばしくない、真田にでもひっつかれちまうと困る)


「まだ、痛いか。」
「もう、もう痛さなんて吹っ飛んだよ!」
「そうか、そりゃ良かったな。」


これで終わると思ったのか慶次はあからさまにほっとした表情を見せる。
その顔に何故だか腹が立って噛みつく様な、いやまさにその唇に歯を立てて噛みついた。
ああ、そうだ、お前はそうやって、そういう顔で俺を見ていりゃあいいんだ。






「それじゃあ今度は好い事をしようぜ。」










終わってなんかやるものかと無理やりに舌をねじ込んだ
( お前が、俺を、怒らせたのが悪い )








***
小十郎以外の人と仲良くしてるとこういうフラグが立ちます。
怖いね!

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あきゅろす。
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