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ideology
3

外は快晴。太陽の日差しが眩しくて目が痛い。正直太陽は好きじゃない
もう……疲れたな…。まだマンションから出て少し歩いただけなのに……。

俺は人間として大丈夫だろうか、普通の人ならば太陽の日差しは気持ちいいものだろうし、朝起きたら日を浴びたいと思うだろう。でも、俺は朝ほど憂鬱な時はない。
布団から出るのに時間がかかりすぎて何度遅刻、遅刻未遂をしただろう。
軽く両手分はある。でも、最近は怜汰が俺の朝の弱さを見かねて電話で起こしてくれたり、時には迎えに来てくれたりする。
本当に助かっている。おかげで遅刻はかなり減った。
――今日は学校を休もうとしたけど……。

色々考えて歩いていたら、もう駅だ。駅員さんに定期を見せてホームで電車を待つ。
ボーっとしながら電車を待っていたら、携帯が震えた。

「…もしもし」
『テンション低いなぁ…』
「うるさい…。それより、何か用か?」
『駅まで迎えに行くから、一応連絡しとこうと思ってさ』

昼にも電話で学校に来るように言ってくれて、更に迎えに来てくれるなんて……
これこそ至れり尽くせり、と言うやつか。

「分かった。わざわざ悪いな」
『気にすんなー。じゃぁな、待ってっから』

電源ボタンで通話を終了すると、ホームに鐘の音が響いた。
そろそろ電車が到着するらしい。電車は大きな音を立てながらホームに入って来た
扉が開き車内に入る。流石に時間が時間なので人もまばらで学生の姿なんて全く見えない。
7人掛けの座席の端に座ってカバンを床に置く。
また鐘の音が鳴り扉が閉まっていく。

その、閉まっていく扉の隙間に今まで居なかったはずの人の姿。しかも、他人には思えない…何故だ……。
それだけでも、奇怪なのに。その人影の口元が動いた。
何か言っている、が聞こえない。
電車が動き出して人影のあった場所が見えたが、誰も居なかった。

とうとう、俺は見てはならないモノを見てしまったのか。
今までは幽霊とか神様とか信じてなかったけど、見てしまっては信じるほかない……

いや、今のは何か気のせいだ。そう自分に言い聞かせ落ち着かせようとする

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