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Lunch!(水谷)


「名前、もうすぐ6時半よ、起きなさい」
「…んー」


現在時刻午前6時半ちょっと前。なんで私がこんな時間に起きるのかって言うと、私もちゃんと女の子で、好きな人のためにお弁当を作る、という理由でこの時間に起きているのだった。お弁当作ること以外にも、髪型整えたり、朝食を取ったり、色々やることはあるからこの時間に起床。布団の中が心地良くてたまにギリギリまで寝てしまうことがあるけれど。
しかし、お母さんはすごい。この時間よりも早く起きてお父さんと自分のお弁当を作り終え(私の分を作ってくれないのは、高校生なんだから自分でやりなよ、ってことらしい)、洗濯物をしている。私と同じくらいの時間に寝て早く起きれるのすごいと思う。でも文貴は朝練のためにそれよりも早く起きてるんだっけ。でも、低血圧で朝に弱いから駄目なんだよなぁ。少しは見習って早く起きれるようになれれば朝練をしっかり見れるんだけどね。ていうか、早く行くと文貴に怒られちゃうんだよね。前に、早めに見に行こうと思って朝早く行ってみたんだけど、見てる最中に体調崩しちゃったんだよね。それで文貴に早く来ちゃ駄目!と怒られた。心配は有難いけど、早くから文貴見たくて仕方なかった。そう言ったら、文貴が照れた顔をしたんだっけ。あれは可愛かったな…。

なんてことを頭の中に浮かべながら眠たい目を擦り、1階の台所に向かった。1階に降りるまで、何度か階段を踏み外しそうになった。身体はまだ半分寝てるんだろうな…。昨日は少し遅くまで起きてたからかな。やっぱり早寝って大事。
1階に降りてみれば、お弁当を作り終え、洗濯もし終えたお母さんは台所横の居間で、テレビを見ていた。一仕事終えた!と清清しい顔をしていた。


「おかーさん、卵とか食材、昨日言ったの残しといてくれた?」
「文貴くんのお弁当だからね、ちゃんと残してあるわよ」


お母さんは、文貴がうちに来たときにすごく文貴のことを気に入っていた。あんたにはもったいないくらい良い子ね、だなんて言っていた。私も文貴にもったいないくらい良い子じゃない?と言ったら、口に手を当てて、ぷっ、と笑われた。まぁ、お母さんが文貴のことを気に入ってくれてるのはうれしいから別に気にしないでおいた。


「いつもありがとー、お母さん」
「どういたしまして」


そう言うお母さんは、テレビで今やっている星座占いを見ていた。あ、私今日6位じゃん。良くも悪くも無くて良かった。よし、星座占いも見たことだし、早くお弁当作って、制服に着替えて、朝ご飯食べて学校行こう。あ、そういえば今日って日直だったっけ…。田島と日直だったよなー…日誌書いてくれるだろうか。




***




お弁当もきちんと家を出る時間までには出来たし、眠気もすっきりと覚めていて授業にも身が入っった。しかし、朝から隣の席の田島の相手はテンションが追いつかなくなる。席替えしてくんないかな。朝練やってあの元気って尊敬できるかな。今の私のままで十分だけど。
そんな感じで午前を過ごしてお昼休みがきた。いつもと同じように7組に足を向けた。


「文貴ー!」
「名前!今日も弁当ありがと!」
「どういたしまして!」


お弁当を広げながら他愛も無い話をして、「美味しいよ」と文貴が笑顔をこちらに向ける。その笑顔を見る度に、お弁当作って良かった、って思える。これから先も、あたしはお弁当を作ってくると思う。その笑顔のために。




Lunch!



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フォルダから出てきたのでUpしてみたり。
いつ書いた話なんだ…!

文貴があんまり出てない…
精進します…!


(2007/01/10)


あきゅろす。
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