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dust
たあ


だいきらいだいきらいよあなたなんてありもしないことばかりいうんですものだってそうでしょうあいなんてないのよいいえあってはいけないのにあなたはかんたんにそれをくちにするあたかもほんとうにあるかのようにいうのなんてばかばかしいなんておろかなんでしょうありもしないものをそうやってひけらかすのねわたしのまえで!



そこまで言って女はぴたりと叫ぶのを止める。
女の目の前には高いフェンスと青い空。
自身の着ているセーラー服のリボンをきつく握りしめて、嗚咽混じりに呟いた。


「だれかを好きになればよかったのに」


あの可愛い幼なじみだって、スタイルのいいクラスメイトだって誰でもよかった、だってあなたのまわりは素晴らしい人で溢れていたのだから。
いつも輪の中心できらきら笑っていたあなただからこそ、私以外を好きになって、その子にだけ可愛いって言って、あの温かな腕で抱きしめてあげればよかったのに。
あなたが好きになった子も、きっとすぐあなたを好きになる。あなたは素晴らしい人だもの、みんなあなたが大好きで、大好きで、だから私なんかに構っていたらだめなの。私なんかのために、あの温かい場所を遠ざけなくていいの。

あなたが、好きって言ったなら、好きよって素直に返してあげられる子に恋をすればよかったのよ。


「そうしたらあなたはこんな、」

馬鹿馬鹿しい死に方しなかったのに。



それは今し方、女の目の前で死を持って愛を証明してみせた最愛の人への最後の言葉だった。



最愛


(あなたの笑顔がみたかっただけで、)


あきゅろす。
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