JUSTICE And PIRATES
海賊王になる男
「名無しが医者だったなんてびっくりしたぞー!しかもすげー頭いいし〜!」
『そう?チョッパーもいい腕してるじゃない!』
「エッエッエ…誉められても嬉しくねぇぞ〜♪」
『ふふっ…』
今日は2人で薬草の整理。年中雪降る冬島ではいい薬草が育たない為、城内の地下の温室で栽培しているのだ。
それを摘んできて部屋で乾燥させる作業に加え、昨日取って来た別の薬草をすりつぶしている最中だ。
『……………何あれ?』
窓の外、真っ白な雪の上に黒物体が見えた。
「あ、おれ見て来るよ。」
「……………。」
「ハァハァ…。ナミ…サン……ジ…着いたぞ…ハァ…」
「(誰だこいつら…。)」
「ハァ………。た、頼……む…、な、仲間を…………助けて…く………
─────
『これでよし!』
名無し達はどこからか現れた男2人とオレンジ髪の女の手当てをしていた。
「それにしても、誰なんだこいつら?」
『さぁ…?でも、見た感じそんなに悪い人達じゃないと思うわ…。あっ、ドクトリーヌさん、そっちはどうですか?』
「ヒッヒッヒ…、女の方はギリギリセーフだったねぇ。あと1日遅かったらあの世行きだったさ!そっちはどうだい?」
「こっちはケガがひどいんだ。骨折に打撲に…あと凍傷も…。」
それぞれの状況を報告しあう。
『じゃあとりあえず安静に…って事で、私は薬草の整理の続きでもして来るわ。』
そう言って名無しは部屋から出て行った。
「それにしても、あの男…人2人抱えてよくここまで登って辿り着いたもんだい…。」
Σ『えっ!もしかしてドラムロッキーを登って来たの?!』
「ロープウェイが使用不能なんだ。それ以外考えられないさ…ヒッヒッヒ…。」
『……………。』
─────
「ぎゃ〜〜〜〜!!」
「待てーーーー!肉〜〜〜〜!!!!」
部屋に居た名無しの耳に聞こえてきたのは、チョッパーの悲鳴と男の声と廊下を走る音。
「捕まえたぞー非常食〜!」
「肉゛〜〜〜っ!」
Σ『あーっ!何してんのよぉ〜〜〜!(怒)』
名無しが見たのは、涙目で逃げるチョッパーと、鬼のような形相でそれを追いかける包帯男2人。
「名無し〜〜助けてくれよ〜(泣)!」
「うぉ〜〜〜///ビューティフルなレディ発見〜〜〜vV………って何だ〜〜〜?!」
ビュォーーーー!!
風が吹いて…
『 !』
名無しがそう呟くと一瞬で男2人からチョッパーを奪還した。
「あれー?!肉がねぇぞ〜〜〜!!!!」
「おれは肉じゃねぇ!トナカイだ!!」
「あ、いた…っておめぇ誰だ?」
さっきまで瀕死の重症だったのが嘘みたいな2人。
「お綺麗なお姉様♪♪♪さっきはどうやったのですか?
あぁ…///素早く動くお姿も美しい…♪♪」
目をハートにしながら、訳の分からない事を言い出す渦巻き眉毛の男。
『(…。どっか打ち所が悪かったのかしら?薬の調合間違えたとか…?)』
ブツブツ…
「名無し〜。」
『ちょっと!チョッパーを苛めないでくれる?!』
「チョッパー??…で、誰だおめぇ?」
再度聞いて来る麦藁帽子の男。
『私は名無し。しばらくここでお世話になってるの…。
あなた達ケガは大丈夫?』
「おう!大丈夫だ!!肉食えば治ーる!!」
「もしかして、君達が手当てしたくれたのかい?」
『えぇ…まぁ…。』
「そっか!ありがとな!!」
満面の笑みで礼を言う麦藁男に名無しは、自然と顔がほころぶ。
『どう致しまして!…で、あなたは?』
「オレはルフィ!海賊王になる男だ!!」
『海賊王…………。』
「オレはオヤジを海賊王にしてやりてぇ!」
『オヤジならなれそうな気がするわ!海賊王に!!』
『………。海賊王ねぇ…。残念!!それになるのはウチのオヤジの予定だから!!』
名無しは誇らしげに言った。
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