JUSTICE And PIRATES 辿り着いた町 「ゴホッ…!みんな無事か?」 砂嵐が去って数分後、ムクッと起き上がって服に付いた砂を払い落としながら、サンジは周りを見渡す。 「…ええ、何とか…。」 「た、助かった〜〜。」 ナミ達も砂を払い落とし立ち上がる。どうやら、無事のようだ。 「今日は厄日ね…。」 「ちょっと待て!人数が少なくねぇか?」 ウソップの言葉に、キョロキョロと周りを見ると確かに人数が少ない。 「……。おい!名無しちゃんと兄貴が居ねぇぞ!!」 「Mrブシドーも居ないわ!!」 その場に居ないのは、名無しとエースとゾロの3人。 「おいおいおい…。砂嵐に飛ばされたのかー?!」 「マジかよ……。」 「お〜〜い!!名無しーーー!!エ〜〜ス〜〜!!!ゾ〜ロォ〜〜!!!」 正気に戻ったルフィが、3人の名前を呼ぶが返事は無い。 「困ったわ…。砂漠は広いし、迷子になんかなったら…。」 ビビが心配そうに呟く。 「確かに。あいつは特にな…。」 「名無し、荷物はここで自分だけ飛ばされちゃったみたいだ…。」 泣きそうな声で話すチョッパーの足元には、飲料水や救急箱が入った名無しの荷物があった。 ちなみに救急箱はナノハナで買っておいたもの。 「益々困ったわ…!飲料水は欠かせないのに…。それ以外にも、猛毒を持った生物とかが多いのよ、この付近は……。」 「大丈夫だって!あいつら強ぇーから!」 事の重大さが分かってないのか、分かってるのか…、半分は自分の暴走のせいだとは気付かないルフィが言う。 「このままココに居ても始まらねえ…。 チョッパー!お前の鼻で何とかならねぇか?!」 「あ、なるほど!トニー君の鼻で匂いを辿るのね…!」 「でも、上手くいくのか〜?」 「…分からないけどやってみる!!」 「……せめて、3人が一緒に居てくれるといいんだが…。」 「そうね…。(あの3人が一緒…、ある意味どうなる事か…って、今はそれどころじゃないわね…!)」 ───── 一方の飛ばされ組は、怪我こそしてないが困り果てていた。 落下地点は多少離れていたものの、運良く合流出来た2名が名無しとゾロだ。 『……。方角分かる?』 「……分からねぇ…。」 『地図とコンパスは?』 「……ねぇ…。」 『「はぁ〜〜〜〜。」』 溜め息をつくしかなかった。 こういう時は、男がカッコ良くリードして女を安心させてやるものだが、生憎、金メダル級の超方向音痴の天才であるゾロには、どうしょうもなかった。 こんな状況の中、名無しと2人きりだー!なんて密かに思っていたゾロの時間は、その数十分後のエースの登場によって終わりを告げた。 「お〜〜い!おめぇら〜〜!!!」 『あ、エース〜〜!!良かった〜無事で!』 「おう!おめぇら、怪我は?」 「あぁ、大丈夫だ。問題ない。」 「そうか!」 手を振りながらエースは、現れた。 その後3人で話し合いをした結果、エースの持っていた地図とコンパスを頼りに、とりあえず現地点から一番近い町を目指す事に。 「全く…!ルフィの野郎…!!」 歩きなからボヤくエースの話によると、砂嵐が来た上に、丸いサボテンを食べたルフィの暴走により飛ばされたのだという。 『そうよ〜!伸ばした腕に絡まったというか…、何というか…。』 「困った奴だ…。」 『あ〜…、あっちはみんな無事かしら…?』 ───── 歩き始めて数時間後、辿り着いたのは小さな町。 『や〜っと着いた…。疲れたわ…。』 「ああ。メシにしようぜ?」 『いきなりそれ?!』 「メシ屋はどこだ〜?……見つけた!」 メシ屋― 「うっめぇ〜〜!!」 『喉がカラカラだったから、水飲んで生き返ったわ…!』 「……………。」 すごい勢いでメシにがっつくエースと、水で喉を潤す名無しと、どことなく不機嫌なゾロ。 「相変わらずうめぇな〜、ここのメシは!」 「それにしても、食い過ぎじゃね?」 「いいんだよ!ダダなんだから!」 隣のテーブルでは、エース並みの勢いで食事をしている男達がいた。 しばらくして、メシを食べ終えた名無し達は席を立った。 『食い逃げ厳禁だからね!』 Σギクッ! 「……チッ…。」 食い逃げが当然のエースが、メシ代を持ってるとは思えない。因みに、ゾロの所持金200ベリー…、話にならない。 仕方なく、ポケットにたまたま入っていたお金で3人分のメシ代を払う事になった名無しは、出入り口付近にあるレジに向かった。 「いやあ〜今日も美味かった!!」 上機嫌で現れたのは、先程隣のテーブルにいた男達。彼らはお金を払うそぶりも見せず、堂々と店から出て行った。 ←→ [戻る] |