JUSTICE And PIRATES 災難 「ねぇ…、朝の寝ぼけてたあれって…わざと?」 「……さぁな…?」 砂漠を歩く一行の一番後ろにはエース。その隣には名無しではなく、ナミがいた。 名無しはビビと共にマツゲに乗っていた。 「……………。」 「名無しって鈍すぎよねぇ〜!私でも気付いたのに、いつも一緒の名無しが何で気付かないのかしら〜?」 「…名無しが鈍いのは今に始まった事じゃねぇ…。」 「お兄さんも大変ね…。」 「全くだ…!人の気も知らないでよ…。」 エースは力無く笑って、マツゲに乗る名無しの背中を見つめた。 「暑い…。おれもうダメだ……。」 暑さに滅法弱いチョッパーが今日もダウン。それに気付いた名無しはマツゲから降り、代わりにチョッパーを乗せた。 「ごめんよ、名無し…。」 『気にしない!気にしない!』 にっこり笑ってチョッパーの頭を撫でた名無しは、エースの隣に移動した。 それと同時に、ナミはゾロの隣に移動する。 「………何だよ…。」 怪訝な顔をしながら呟き、横目で自分を見るゾロをよそに、ナミは小声で話しかけた。 「……朝から機嫌悪くない?」 「別に。」 「…………。名無し達って仲いいわねぇ…。」 ピクッ! 「――!!だから?」 「あんたってさぁ…、名無しの事好きなんでしょ?!」 「なっ……!しっ、知るか!!///」 みるみるうちに赤くなっていくゾロの顔を見て、ナミは確信した。 「ビンゴね!で、機嫌が悪い原因は朝のアレ。つまりヤキモチね…!」 「ーーっ、知らん!!」 スタスタスタ… 「……………。(オレが名無しの事を…?)」 これまでのモヤモヤした感じや、胸がチクリとした感じの正体が、ナミの言うとおりならば説明もつく…。 今思えば、思い当たる節が有りすぎる…ってか、人が見て分かる位顔や態度に出ていたんだな…。 そんな事を考えながらゾロが歩いていると、サンジの呆れた声が聞こえてきた。 「おい、毬藻!てめぇどこ行くんだ?!アホか。」 「あぁ?!(怒)」 サンジの言葉に反応するゾロだが、なぜか仲間達と離れた場所に居た。 どうやら、考え事をしてる内にみんなとは全く別の方向に進んでいたみたいだ。 「おいルフィ、てめぇ何食ってんだ?」 「んん〜?」 仲間達の所に戻ったゾロは、ルフィが何か丸い緑色の物体を口に含んでいるのを見つけ、声をかける。 ブワッ……ゴォ〜…… 「…何、この空気…?」 みんながルフィに注目している中、ナミは吹いている風に違和感を感じていた。 「おおお〜〜〜!!みんなぁーー逃げろぉ〜〜〜!!!!」 「な、何だよいきなり!!」 「逃げろぉぉぉぉ〜〜〜〜!!!津波が来るぞーーー!!」 突然叫び出すルフィ。言うまでもないが、ここは砂漠。津波なんて来るはずが無い。 「ギャ〜〜〜!!やべぇぞぉ〜〜!!!」 「おい!!さっきから何なんだ!?」 『ルフィ!何か分からないけど…、兎に角…!! ―っ!!痛い……。』 何とか落ち着かせようと近づく名無しだが、ルフィの放ったエアパンチをモロに顔面に受け、鼻を抑えてうずくまってしまった。 「………。まさか、さっき食ったアレのせいじゃねぇのか…?」 ウソップによると、小腹がすいたとか言い出したルフィが、そこらへんに生えていた丸い植物を食べてしまったらしい。 『その丸いのって、コレ?』 自分の足元にある実物を指す名無し。 「あぁ、確かそんなんだったな…。」 『――!!マズイわ!これはメスカルサボテンといって、口にしたら強い幻覚と……』 鼻を抑えながら名無しは、ルフィが食べたとされる丸い物体についての説明をした。 ルフィは依然として、訳の分からない事を言って暴れている始末。 ゴォォォォ―――!!! 「ーーーー!!!! みっ、みんな大変!!砂嵐よ!!」 「「「ーー!!」」」 ナミの叫びに顔を向けると、全員青ざめた。 砂を巻き上げ低い唸り声と共に、バカでかい砂嵐がこちらに向かってきていた。 「ぎゃーー!こっち来んなぁ〜〜〜!!!」 「チッ!こんな時に…!!」 「全員どっかにしがみ付けぇーー!!」 「肉が飛んでるぞ〜!」 ギャーギャー…!!! パニクる仲間達と、未だ幻覚から抜け出せないルフィ。 「あ"〜〜※◎★…ゴムゴムのぉ〜〜!!!大回転〜〜〜」 ルフィが両腕をびょ〜んと伸ばし、回り始めた。 「このクソゴム野郎!しっかりしやがれ!!(怒)」 ドカッ!! ブワァ〜〜〜ン! ドスッ…!! 『きゃ〜〜〜!!飛ばされるーー!!!』 「うおっ…!!名無しっーー!!!」 『エー……ゴホッ!』 手を伸ばし、必死にエースに捕まろとする名無しだが、届かない上に砂嵐のせいで息も満足に出来ない。 ゴォォォォォ〜〜〜〜………!!!! ←→ [戻る] |