JUSTICE And PIRATES 気付かれた思い 「私はいいから名無しさん乗って!」 マツゲには既にナミが乗っており、残る椅子は1つ。 そこでビビが、自分はこの国で生まれ育ち砂漠は慣れていて平気だからと、名無しにマツゲに乗るように言ってきたのだが…、名無しはそれを断った。 「名無しさん…ホントに大丈夫?」 『うん、大丈夫よ!』 「名無し!しんどくなったら言ってね! じゃあ、出発〜〜!!」 「ウ"ォ〜〜〜!!」 ナミとビビを乗せたマツゲを先頭に、一行は歩き出した。 『ねぇエース、いいものあげる!』 そう言って名無しは、小袋の中から飴玉を取り出し渡した。 「おう、サンキュ!」 パクリ… 「…おっ!この飴ヒンヤリと冷たくて美味いぞー!」 『でしょー?ナノハナの香水屋のおばさんがくれたの〜!』 「あーーーっ!!エース、何食ってんだよー!!」 「あ?ただの飴だよ。」 「ズリ〜っ、自分ばっかり!!」 ルフィが自分にもよこせと騒ぎ出した。 「これは名無しから貰ったんだよ!」 「名無し!オレにもくれ!!」 「ちょっとルフィ、何騒いでんのよ!」 「聞いてくれよナミ〜!名無しがエースばっかりに、飴とかあげてひいきするんだぜ〜。」 『ーー!ルフィ!!ひいきなんてしてないわよ! 人聞きの悪い事を…!』 「…。へぇ〜〜……。お兄さんばっかりに、ねぇ……。」 ナミがニヤリと笑み浮かべ、名無しを見る。 『もうっ!みんなの分もあるんだからいいでしょ!!』 名無しは一人一人に飴玉を渡して行く。 「名無しちゅわぁ〜ん♪オレにもくれるなんて嬉しいなぁ〜♪♪」 「…。おう、ありがとう。」 みんなお礼を言って受け取ってくれた。 「ねぇビビ、どう思う?」 「え?何が?」 「何がって、名無しとお兄さんの事よ!」 マツゲの上でヒソヒソ話をするのは、ナミとビビ。 2人の声は当然名無し達には聞こえない。 「なんか怪しいのよねぇ…。あの2人! 同じ船の仲間で、久しぶりに会えたから…ってだけじゃない気がするわ…。」 「…そうね…。もしかしたら…。」 女2人は、メリー号でエースと名無しが再会した時の事や、サンドラ大トカゲに襲われた時の事などを思い出していた。 「そもそも、メリー号でいきなり名無しを抱きしめてさ〜…。」 ヒソヒソ… 「ズバリ言うわよ!お兄さんは名無しの事が好きなのよ!!」 「しーーっ!ナミさん、声が大きい…!」 「あっ、ゴメン!…で、肝心の名無しももしかしたら…。」 「うん。まんざらでもないと思うわ。」 「でしょー?!あとね…」 マツゲの上のヒソヒソ話は尚も続き、話の主役である名無しとエースは、自分達の事が話題に上がってるとは知らず、一番後ろで横に並んで歩いていた。 ───── 雲ひとつ無い青空の色がオレンジ色に変わり始めた頃、今日はここまでという事になり、サンジは晩飯の仕込み、他はテントを張るなどそれぞれ動いていた。 『ハ…ハックション! …昼とは大違い、寒いわ…。』 「砂漠では、昼と夜の温度差が大きいのよ。」 「おい、みんなー!メシの時間だー!」 「待ってたぞ〜メシぃ〜〜〜!!」 みんなが集まり、輪になって食事を始める。その中心には、メラメラの能力でエースが火を付けた焚き火。 「んめぇ〜〜!!!!」 飯にがっつく男性陣の中で、ルフィとエースの食欲はすごかった…。 「おい、名無しもちゃんと食えよ?……ぐーZZzz..」 『あ〜、また始まった…ι』 「名無しさん、お兄さん寝ちゃったけど……。」 『いつもの事だから。』 「……Σはっ!寝てた…。」 『ん〜、ごちそうさま。美味しかったわ!』 「名無しちゅわぁん、もういいの〜?おかわりあるんだよ〜♪」 「おう!もらうぞサンジ!!」 ルフィが横から腕を伸ばして来た。 「てめぇに言ってんじゃねぇ!名無しちゃんに言ってんだ!!」 『私はもういいわ。だからルフィにあげる!』 「ねぇ…名無しってさ〜、白ひげの船ではどんななの?」 『は?ナミ…、いきなり何で?』 食事が終わり各々がくつろいでいる中、必要以上にニヤニヤして、エースと名無しの顔を交互に見ながら、ナミが聞いてきた。 ←→ [戻る] |