JUSTICE And PIRATES 元、緑の町 「クオー!クオー!」 『………?』 錨を下ろしたメリー号に聞こえてきたのは、何かの鳴き声。 「クオー!」 「あれは、クンフージュゴン…!」 「なっ、何だ!やるのかぁ〜?!」 何故かファイティングポーズを取るクンフージュゴンに、対抗したウソップだったが…… 「クオォ〜〜〜!」 「ぎゃー!」 ドカドカ…!ガスッ!! 「ダメよウソップさん!手を出したら……。 強いから…!」 「〜〜〜……。」 ちーん…… ビビの忠告虚しく、即KOされたウソップだった。 その横では、ルフィがクンフージュゴンに闘いを挑んで勝っていた。 「勝ってもダメ!クンフージュゴンは、闘いに負けると勝った相手に弟子入りする習性があるの!」 『あら、あんなに可愛い弟子なら、私は大歓迎だけど?』 「違〜〜う!こうだ〜!!!」 「クオ〜〜〜!!!」 気を良くしたルフィが、ジュゴンに拳の構え方を伝授?し出した。 そんなルフィ師匠の後ろには、当初よりも数の増えたジュゴン達。 しかも、ルフィ師匠にずっとついて行くという。 『可愛い〜♪ね、エース!』 「お、おう…。そいつ気に入ったんだな!」 『うん!可愛いもん♪』 ぎゅう〜〜… 「クオー!」 『モビーディック号に連れて帰りたい位♪』 名無しがジュゴンを抱っこして嬉しそうに言う。 しかし、当然のことながら却下。ビビが言うには、この地域でしか生きられない生物の為、船に乗せる事も砂漠に連れ出す事もNGだという。 したがって、ルフィ師匠について行こうとしているジュゴン達もこの場に留まる事に。 「じゃあ、またな〜!!」 ジュゴンに別れを告げ、砂漠へと出発する一行だった。 ───── 「暑い〜〜〜。」 「疲れた〜〜…。」 出発して間もないというのに、早くもバテるウソップとルフィ。先が思いやられる…。 「暑"い〜〜〜〜〜。」 「ちょっと、あんまり暑い暑い言わないでよルフィ。こっちまでダレちゃうわ…。」 『それにしても、エースに弟がいて、それがルフィだったなんてびっくり!弟の事なんて初耳!』 「そりゃあ聞かれなかったし…、だいたい名無し、家族の話嫌いだっただろ?」 『う〜ん…。』 「暑い"〜〜〜…。」 「オレはこれ以上歩いてはいけない病に…。」 ブツブツ… 『ホント暑いわね…。まぁ、仕方ないけど。』 「名無し、大丈夫か?」 『うん、大丈夫よエース!そっちは?』 「オレは平気だ!」 前のルフィらがボヤいている中、一行の一番後ろには、名無しとエースが横に並んで歩いていた。 「それにしても、マジで暑ぃなこの国は…。」 『メラメラの実だから余計に暑いんじゃないの?』 「かもな〜!」 『ヒエヒエの実だったら、ちょっとは涼しいんじゃない?』 「ど〜だろうな〜…。」 『もし、青雉みたいだったらさぁー、そうしたらかき氷食べ放題ね〜!』 「名無し腹こわすぞ…ιそれに、オレは寒いのも嫌だ。」 『あ、そうそう!ナノハナのお店でね…』 ペラペラ… 「…………。」 2人の何気ない、ただの雑談。ゾロは、耳に入って来る楽しそうな名無し達の話声を聞く度、チクリと胸の痛みがしていた…。 名無しが気になっていたが、ガン見するわけにもいかず、ひたすら前だけ見て歩いていた。 ───── 「着いたぞユバ!!」 「違うわルフィさん、ここはユバじゃなくて緑の町エルマルよ。」 「………?緑?何もねぇぞ!」 一行が着いたのは、砂に埋もれた建物に枯れた植物、水がスッカラカンに干上がった池など、緑とは程遠い枯れた町。 「…………。」 ビビは怒りを堪えた表情で俯いていた。 「……。ここは…、あいつが来る前は、緑と活気の溢れる賑やかな町だった…。」 『あいつ?……。もしかして、この町はクロコダイルが…?!』 「……。」 名無しの言葉にビビは小さく頷き、クロコダイルの罠とダンスパウダーについて語り出した…。 ←→ [戻る] |