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JUSTICE And PIRATES
再上陸W7
エニエス・ロビーでの戦いを終えた麦藁の一味は、メリーとの涙の別れを経て、無事W7に帰還。
燃え去ったガレーラ本社跡に作られた、仮設の本社。宿として使わせて貰うそこで、休息を取っていた。

燃えて永遠の眠りについたメリーに変わる船を、フランキーが造ってくれる事になり、船の問題は解決。

アクア・ラグナで流されたと思っていた、ナミのみかんの木など、各自の荷物も無事。その中には、名無しのウェイバーもあった。

W7に帰還後、戦いの疲労感から数日間死んだように眠っていた一味も、日が経つにつれ1人ずつ起き、今では全員が目を覚ますまでに。

船が完成次第、出港OKの状態となっていた。

新しい船が出来るまでの間、各自思い思いの時間を過ごす一味。
そんな中、ゾロは海岸に立ち、冴えない表情で海を見つめていた。

「名無し…お前、無事なのか…?」

悪夢の光景を目の当たりにして、名無しの無事を願わずにはいられない。
名無しと会いたい、無事な姿を見たい…そう思って止まなかった。

それは他の一味も同じで、声を掛けてくる市民達に笑顔を向けながらも、頭の中では名無しの事が大半を占めていた。

そんな一味の心情など知る由のない市民達は、裏街の復興作業に汗を流していた。

例年に無いほどの規模だった、アクア・ラグナに襲われた街。
2階の壁にワカメが張り付いていたり、街の池にイカが泳いでいたり…は、街中がどっぷり海水に浸かった証拠。

市民達に加え、ガレーラの船大工達も手伝い、総出で復興作業にあたっていた。


―――――

W7に到着したガープの軍艦。甲板に出た名無しは、噴水を見上げたままで船を降りようとしなかった。

「どうしたんですか?着きましたよ?」

『…………。』

「名無しさん…?」

2羽烏が声を掛けて来た。

『…………。
……!ちょっと、あなた達にお願いが…』








「はいっ!分かりました〜!!」

「そのウェイバーというのを、持ってくればいいんですね?!」

『よろしくお願いします!よく似たのが2つあるから、間違えないように…!』

麦藁の一味に会わせる顔がない!と思った名無し。彼らとの接触を避ける為、ウェイバーを取って来てほしい…と、2羽烏に依頼。


「「了解でーす♪」」

2羽烏は、喜んで了承。名無しは、軍艦で待つ事にしたのだが…

「…うーん………。」

『……え?!』

突然、ガープに抱き抱えられ、名無しの体が宙に浮いた。

「……名無し。欲しいモノが有るなら、自分で取って来るんじゃ…!」

『え?!でも…』

「………。」

『きっと、みんなの荷物と一緒に置いてあるだろうし…会わせる顔が…』ボソボソッ‥

「………………。」

麦藁一味と会ってしまう事に、二の足を踏んでいる…。
そんな名無しの心情を、ガープは見抜いていた。

しかし、名無しが拒否っても無視して、降ろす気配がない。

「………。ルフィも…心配しとるんじゃないか?一度元気な姿を見せれば、皆安心するじゃろ!」

『さ、さぁ…?それでも私は…』

「ええい!問答無用じゃー!!」

『え゙〜〜〜!』

ガープは名無しを抱えたまま、部下達を引き連れ街中へと入って行った。


―――――

「お、おい…!見てみろ、海軍だ!」

「うわっ、本当だ!」

復興作業の手を止め、ザワザワとしている市民達。ビビって道を空ける者、ガン見する者、怪訝な顔する者、面白がって見に来る者など様々だ。

「…あれって、本部のガープ中将じゃねぇか?!」

「何か、女を抱えてるぞ?!」

『…………!』

市民達は、名無しを目に写した。そんな彼らがいる街中を横切り、仮設のガレーラ本社を目指すガープ率いる海兵軍団。


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