JUSTICE And PIRATES 海底通路の扉 「……。名無しと戦ったのか…?」 「…えぇ…鍵を貰おうと思ったんだけど、逆に鍵を取られたわ…。」 せっかくスッたのに! ナミは、悔しそうな表情を見せた。 「……!!そうだ!こうしてる場合じゃない!!早く2番の鍵を手に入れなきゃ…!!」 「2番の鍵?!」 「そうなんだよ!ゾロとそげキングが厄介な事になってて…!!」 走りながら、事の説明をするチョッパー。話を聞いたナミは、2人が手錠で繋がれたというマヌケな状況に、盛大なため息を吐いた。 ――――― ドカーーン!! 「「!!?」」 チョッパーとナミが長い廊下を走っていると、突然上から何かが落下してきた。 「「ーーーー!!!」」 その落下物を目にした2人は、これでもかという位に目を見開く。 落下してきたのは、カリファの能力によりツルピカ状態にされたサンジだった。 「やったのはあの女ね!?」 頭上のカリファを睨み付けるナミ。すると… 「よよ〜い!!あ、遂に〜見〜つ〜け〜た〜ぞォ〜!!」 「タコ男…!」 ナミに鍵をスられたとは全く気付かない、完全にまいたクマドリが現れた。 「あの男はオレに任せて、ナミはあの女から鍵を…!!」 「分かったわ!!」 チョッパーvsクマドリ戦闘開始! 更に、カリファの部屋に乗り込んだナミもカリファとの戦闘を開始した! その頃― 正義の門へ向かうため、地下への長い階段を降りているスパンダム、ルッチ、そしてロビン。 「〜〜〜♪」 順調に連行しているとあってか、スパンダムの足取りは軽やかでこの上なく上機嫌だ。 「いたー……」ボソッ‥ 「ニャー…」ボソッ‥ 階段を降りているスパンダム達を、コッソリ見ている小さな影が2つ…。 暴走海列車ロケットマンを操縦した、ココロの孫チムニーとペットの猫?兎?ゴンベだ。 「黒髪のねーちゃんと、ルッチと、ルッチのお供の奴だ〜! せいぎの門ってトコに行くんだよ、絶対!」ボソボソッ‥ 駆けていく麦藁一味とフランキーを見送った後、ココロの元を離れ、勝手に司法の塔内をウロついていたチムニー。 偶々この薄暗い通路を見つけ、そこを通るスパンダム達の様子を伺っていたのだ。 「…あれ〜?」ボソッ 壁に隠れていたチムニーは、ルッチの手首に注目する。 そこには、月の雫と呼ばれる石が青く光っていた。 明るい場所では分からないが、暗い場所では青く光る鉱物。W7で買ったブレスレットだ。 これと同じモノを、名無しも付けている。 「いいなぁ〜青く光ってるの〜!欲し〜なぁ〜」 ――――― 長い階段を降りきったスパンダム達。正義の門へと続く、秘密の海底通路入り口の扉前に到着。 そして、スパンダムが何やら操作すると、硬くて分厚い鋼鉄の扉がゆっくり開いた。 「「…………。」」 扉が開く一部始終を目撃したチムニー。3人が通過して再び扉が閉まるのを見届けると、来た道を引き返した。 「す〜ごいの見ちゃった〜!秘密の扉だよ〜!みんなに知らせあげよう〜!!」 嬉しそうに駆けていくチムニー。しばらく走っていると、ドンッ!と壁ではない何かにぶつかって尻餅をつく。 「いたたた……え!?」 『…何やってるの…?』 「あーーー!」 自分を見下ろす黒い影と目が合ったチムニー。しまった!見つかった!と一瞬ビビるが、黒い影が名無しだと分かると、安心したような笑みを浮かべた。 「ゴムの兄ちゃん達と、一緒にシフトステーションに来たねーちゃんだー!」 ビシッと、名無しを指差すチムニー。 「ねぇねぇ!ロケットマンには乗ってなかったよね〜?!どうやってここに来たの〜?」 『……。』 「あ!ぐる眉のにーちゃんみたいに、先のパッフィング・トムに乗り込んでたとか〜?でも、よく敵に見つからなかったね〜!」 『…………。』 「ねーちゃんも、黒髪のねーちゃんの事助けに来たんでしょ〜?あのねーちゃんなら、秘密の扉の奥だよ〜!」 『………………。』 何も知らないチムニーの言葉は、痛い程名無しの胸に突き刺さっていた…。 ←→ [戻る] |