JUSTICE And PIRATES 絶望か否か 「名無し!何ぼさっと突っ立ってんのよ!!!ロビンを取り返して!!」 『………。』 「聞こえなかったの?!早くしなさいよ馬鹿!!」 「名無し〜!!」 「名無しちゃん!!!」 跳ね橋が降りない以上、どうする事も出来ない麦藁一味。 必死に呼び掛けるが、名無しは動こうとしない。 「名無し〜〜!ロビンが連れてかれても平気なのかよ〜?!!」 『…………。』 「あんなにロビンと仲良くしてたじゃないか…!!助けてくれよぉ〜〜!名無し〜「うるせぇぞ!黙れコラァ!!!」 チョッパーの言葉を遮ったスパンダム。足を止めて、麦藁一味に向き直った。 「名無しは海賊の仲間じゃねぇんだ!!CP9が、何で助けなきゃいけねぇんだ!このブァァカ!!」 『……………。』 「……見損なったぞ名無し!!!この、裏切り者が!!」 一向に動こうとしない名無しに業を煮やしたゾロ。イライラが溜まってたせいもあってか、キツい物言いになる。 『…………。』 「……どうしてもオレらの邪魔するなら、こっちも容赦しねぇ!!斬るぞ…!」 ゾロは、腰の刀に手を掛け名無しを睨む。 「ちょっと待ってゾロ…!!」 「あ?何だよナミ…!多少は、手荒な真似してもいいんだろ?」 「…アンタの顔見てると、多少どころじゃなくなる気がするわ…ι」 「安心しろ。手は抜く」 腰の刀から手を離したゾロは、腕を組んで名無しを見据えた。 『…やれるもんならどーぞ?斬るとか何するとか…全部こっちに来てからの話でしょ?! 跳ね橋が途中で止まったから、どうする事も出来ないんじゃないの?!』 「…あぁ、そうだな。てめぇが下らねぇ指示出したせいでな…!!」 『それこそ空中を歩けるCP9じゃあるまいし、どうやって司法の塔に来るのかしらねぇ〜?!!』 漸く、ゾロに対して口を開いた名無し。その口調は淡々としていて、尚且つ無表情だった。 「何よ名無し…!その言い方!!」 『長官!!』 「Σな、何だ…!」 急に話しかけられたスパンダムは、びっくりして振り返った。 『今の内に行って下さい!』 「あ、あぁ…!」 名無しに言われ、再びロビンの腕を掴み連行するスパンダム。 すると… 「待て、スパンダ」 フランキーがスパンダムの前に立ち塞がり、通り道を遮った。 「……………。」 邪魔だ、どけ!と言うスパンダムの目の前に、紙の束を見せ付けたフランキー。それは、今回の任務の最大の目的物であるプルトンの設計図だった。 ───── 「ニコ・ロビン!!オレは、お前が兵器を悪用しようとする悪魔でない事が分かった…。」 「グダグダ言ってねぇで、早くよこせ!!!」 怒鳴るスパンダムだが、フランキーは設計図を渡そうとしない。 それどころか、スパンダム達の目の前で設計図を燃やすという、とんでもない行動に出たフランキー。 「!!!!」 これでもかという位に目を見開いたスパンダム。喉から手が出る程欲しかった設計図焼失に、ショックの余り暫し固まる。 「これで兵器に対する対抗手段は無くなったな…。」 「何てこった……。オ、オレの設計図が……」 燃え粕を拾い集めるスパンダム。設計図は既に真っ黒で、掴もうとすると粉々になり、風に乗ってスパンダムの手から消えた。 「このまま、ニコ・ロビンがお前らの手に落ちれば絶望だ。対抗手段の持たないない兵器は暴走して、それこそ世界が終わる!!」 「…オレの設計図……」(←聞いてない) 「でも!あいつらが勝てば、お前らには何も残らねぇ…! だから、オレは賭けをした!アイツらの勝利に賭けたんだ!!」 兵器を呼び起こす術を持つ女ニコ・ロビン。彼女を奪回して兵器復活を阻止するか否か…全ては、麦藁一味に託された。 でもまぁ…ルフィ達にすれば兵器云々より、奪われた仲間をただ取り返しに来ただけだが。 「おーのーれぇ〜〜!!カティ・フラム〜〜〜!!!てめぇ、今すぐ死にてぇらしいなァーーー!!!!(噴火) おい!CP9!!!ルッチ!名無し!カクでも誰でもいい!!」 完全にブチギレたスパンダムは、今すぐフランキーを抹殺するよう言い放った。 ←→ [戻る] |