JUSTICE And PIRATES 迫る海賊達 『あ…私の方こそ…』 「ほ、本当に申し訳ありません!申し訳ありませんっ!!(汗)」 腰をさすりながら立ち上がる名無し。役人は、ぶつかった相手がCP9という事で、余計に冷や汗を流しながらひたすら平謝り状態だ。 『も、もう謝らなくてもいいですから…!』 役人を宥めた名無しは、近くに落ちていた電伝虫を拾い、役人に渡した。 『…そんなに慌てて、何かあったんですか?』 「Σあ、そうなんです!大変な非常事態でして…!スパンダム長官に緊急の連絡が…!!」 『…………。』 役人の余りの切羽詰まった様子に、名無しは一瞬眉を寄せる。 『…何の連絡ですか?』 「はっ!侵入して来た海賊約60名に、本島最終地点裁判所前広場まで攻め込まれた模様だという事です!!」 『!!!!(遂に来た!!…でも、60人って…?)』 「………あ、あの…名無しさん?」 『あ、いや…。もう行って下さい!』 「はっ!それでは失礼します!」 名無しに一礼をした役人は、猛ダッシュで階段を駆け上がり、事の報告の為長官室に駆け込んでいった。 ───── 『……はぁ〜〜〜…』 窓枠に肘を付け、頬杖を付いている名無し。 遅かれ早かれ、スパンダムは必ず海賊抹殺命令を出すに違いない。 既にルフィはブルーノと戦っているが、CP9vs麦藁一味の全面対決が現実味を帯びてきた事に、深い溜め息を吐いた。 「あ、名無しさんだ♪」 「1人…みたいだな!」 こちら、司法の塔内をウロついていた2羽烏。名無しを見つけた彼らは、ルッチが居ない事を確認。チャ〜ンス!とばかりに、名無しに近づいていく。 「…名無しさん…溜め息なんか吐いて、何か元気なくね?」ボソッ‥ 「確かに…。まさか、ルッチさんとケンカしたとか?」ボソッ‥ 「マジで…?だから元気ないのか…」ボソッ‥ こいつら…エニエス・ロビーが大変な事になっているというのに、緊張感の欠片もない勘違いアホ2人(笑) 「名無しさん!」 「げ、元気出して下さい!」 『…は?』 訳が分からない名無しは、首を傾げた。 「いや…ルッチさんとケンカし『すいません!』 「「…は?」」 今度は、2羽烏が首を傾げる。そんな2人に名無しは、ある指示を出した。 数分後― 「名無しさん!言われた通り、電伝虫で連絡しました!!」 「……でも、跳ね橋を下ろされそうになったら破壊しろ!なんて本当に…?」 『…本当です。海賊達が裁判所前広場まで来てて…―』 「………。」 「マジデスカ…」 名無しから、改めてエニエス・ロビーの現状を聞かされた2羽烏。 あれだけ沢山の衛兵が守りを固める中、まさか裁判所まで来るとは思わなかったのだろう…。 話を聞いた2羽烏は、驚いた表情を見せる。 「で、でも…来ちゃったものは仕方ないですよねぇ…アハハハ…ハハ…」 『……………。』 しばらくして― 「…………おい」ギロリ 「「Σし、失礼しました〜〜!!」」 名無しと2羽烏の話は、ルッチが現れた事により終了。ルッチにメンチを切られ2羽烏が逃げるという、お決まりのパターンとなった。 『もぅ…何で睨むのよ〜?』 「バカヤロウ…。」 『…………。もしかして、焼き「バカヤロウ!」……んっ!』 名無しの言葉を、キスで遮ったルッチ。 「部屋に戻るぞ」 しっかり密着した2人は、廊下の奥に消えていった。 その頃、裁判所屋上では― 新技ギア2ndを発動したルフィは、遂にブルーノを撃破。 屋上の壁を登りその上に立つと、真っ直ぐ司法の塔を見据えた。 そして、目一杯息を吸い込み肺を満タンにし… 「ロビ〜〜ン!!名無し〜〜〜!!迎えに来たぞォーーーー!!!!!」 力一杯叫んだ― ←→ [戻る] |