JUSTICE And PIRATES 奇跡の桜 「おい!何だありゃ?!」 街の人々が見たのは、満月の月に映る黒い影…。 「魔女のソリだ…。」 「一回しか言わないからよく聞きな! 合図と共に、大砲を空に向けて撃つんだよ! 分かったね!!」 「うわっ!何か来るぞ!」 ギュイン! ズザザザザ…… シャーーーー 「あれは…Drくれはのトナカイだ…。」 「それに乗ってたのは、あの海賊達だ!」 ザワザワ… 「どこ行くんだ?!島から出るのかぁ?」 「名無しさんも居たぞ…。」 「おい!ワポルはどうなった?! ドルトンさんは無事か?………って行っちゃった…。」 麓のロープウェイ発着場周辺に居る人々の声を背に受け、チョッパー達はメリー号の元へ急ぐ。 「はーーーっ、面白かった〜!おい、もう一回やってくれ!」 「バカ!もう出航するのよ!」 「……………。」ちーん さっきの、ある種のジェットコースターが余程楽しかったのか、ルフィはニコニコ顔だが、ウソップは正反対の青い顔をしていた…。 「ぬおっ!ここはどこだ?」 「あ、サンジさん気が付いた?!」 『………。』 名無しは後ろを振り返り、ドラム城の方向を見る…。 「名無しさん…。」 『あ、ビビ。いざ離れるとなると、寂しいな〜なんて。 でも、大丈夫!この世からいなくなる訳じゃないし! あはは……うん!!』 名無しは笑顔を見せた。 「何っ!名無しちゃん?」 「おう、サンジ!名無しとチョッパーが仲間になったぞーー!!」 「ホントか〜♪♪♪ 名無しちゅわぁ〜〜ん♪♪ やったぜぇ〜〜♪♪♪」 目覚めてすぐテンションが高いサンジ。その横ではゾロがうるさいとばかりに耳を塞いでいる。 「準備OK!!」 「点火ーーーーー!!」 ジジジジジ… ドーーン! ドカーーーーン!! ドガーーン!!! ドォーーーーーン!! 次々上がる大砲…。 「ーーー!何だ?!」 「何の音だ?花火か?!」 「ギャー、何か飛んで来るぅ〜〜(泣)」 突然の音に、何事かと一味は足を止めて振り返る。 すると― 「うわぁ…綺麗……。」 「こいつぁ見事だ…。」 『ピンク色…』 空から絶え間なく降り注ぐ雪…。 それは、いつもの白色ではなく、ピンクのサクラ色……。 「……………。」 チョッパーは何も言わず天を仰いでいた…。 舞い散る花びらのごとく、次々と降るピンク色の雪。 誰もがその美しさに目を奪われていた。 「ピンク色…桜……。」 チョッパーの目がだんだん潤んでいく。 「おれはお前を撃たねえ!」 「この世に治せない病気はねぇ! おれはこの国に桜を咲かせたい!」 「う゛ぅ……ドグダ〜〜〜!グスッ…。」 「ドクター、何やってんだ?」 「これか?大事な研究だ!でも、今は秘密だ!」 「うわぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ん!!わぁ〜〜〜ん!!ヒック…ぐずっ…。」 空を見ながら、滝のような涙を流すチョッパー。 『………………。』 名無しは流れそうになる涙をこらえ、チョッパーの後ろ姿を…空を見ていた。 他のメンバーも黙って空を見ている。 「ドクター…おれ、ケンカしたの初めてだ…。」 「エッエッエッ、そうか。じゃあ、こういうのも初めてだろ……プレゼントと仲直り!」 「ウオオオオオ――――――!!!!」 一気にチョッパーの感情が溢れ出す…。 ←→ [戻る] |