JUSTICE And PIRATES さようなら 半ば強引にサンジに連れられ、ナミ達の居る部屋へと姿を表した名無し。 「名無し!!アンタ、今までどこで何してたのよ!?」 「名無し〜!戻って来てくれて良かった〜!!」 「…………。」 駆け寄るナミとチョッパー。ゾロは、案の定睨んでいた。 「名無し!ちょっとこっちに来なさい!!」 ナミは名無しの手を掴み、部屋の机の所まで引っ張り椅子に座るように促した。 しかし、名無しは座ろうとしない。 「名無し!「ちょっと待ってナミさん!…ルフィは?」 「屋上に居るわ!」 「オレ、呼んで来るよ」 『待って!』 ルフィを呼びに行こうとしたチョッパー。それを制した名無しは、一度深呼吸をした。 そして、麦藁一味とサヨナラする事を告げた。 ───── 「………っ!信じらんないこんな大変な時に…!!何でこのタイミングなのよ?!」 話を聞いたナミは、声を荒げ名無しに詰め寄る。 「てめぇっ………!!」 「嫌だ名無し〜〜〜!」 ナミに加え、ゾロとチョッパーも詰め寄った。 『……!!もう決めたの!みんなとはここで別れるから!!』 「ちょっと待ちやがれ!!!」 「おい!みんな落ち着け!!」 サンジは、名無しを含めた全員を椅子に座らせた。そして、改めて名無しに対して口を開く。 「名無しちゃん…。この際だから、ハッキリ言わせて貰う」 『……………。』 「何を隠してるんだ?」 『………!別に…』 「別にって事ねぇだろ!!青雉と会ってから様子がおかしい事も、お前が何か隠してる事も…みんな知ってんだぞ!!」 『…………。』 「何とか言え!!!」 『…………。』 ゾロが怒鳴れば、眉間に深いシワを作る名無し。 「何で何も話してくれないのよ名無し!私達って、そんなに信用出来ない?!」 『…………。』 「もう…名無しの秘密主義にはウンザリだわ!!」 『………じゃあ、言わせて貰うけど…誰にでも言いたくない事の1つや2つ位、あるんじゃない?』 「……………。」 『兎に角、みんなとはお別れよ?』 これ以上話してても埒があかないと思った名無しは、スッと立ち上がろうとする。 しかし、ナミがそれを阻止した。 「アンタが白ひげの船に帰るだけなら、こんなに食い下がらないわよ…!でも、どうしても青雉との事が気になるの!あいつと会ってから様子がおかしいのは、名無しだけじゃなくてロビンも…」 「そのロビンちゃんは、今行方が『はぁ………どうしても言わなきゃ、サヨナラ出来ないのね…』 話を遮った名無しは、困ったように眉を下げた。 『……確かに、私には隠してる事がある…。でも…それは、あなた達には知る必要の無い事よ』 「あァ?!そんなの答えになってねぇ!!」 『…もう…いいでしょ…』 名無しは再び立ち上がり、自分の荷物を取りに向かう。 『あ、そうそう…みんな渡したいものがあるんだけど…』 「「「………?」」」 『少ないけど、今までお世話になったお礼のつもり…。これからの足しにして?』 名無しが置いたのは、黄金の入った袋。空島で、自分のヘソクリとしてゲットしたものだった。 「……………。」 袋を開け、中身を確認したナミ。普段のナミなら、確実に目をベリーにして大喜びするのだが、今は… 「何よ名無し…っ!」 『みんな、今まで楽しかった!ありがとう…元気でね…』 別れの挨拶をして、部屋を出ようとした名無し。すると、チョッパーが泣きながら飛びついて来た。 「グスッ…嫌゛だ…名無し…!行がないでぐれよぉ〜〜!!」 『…………。』 貰い泣きしそうになりながらも、チョッパーを引き離した名無し。 「名無し〜〜〜!!」 『ついて来ないで!!』 「!!!!」 『……私の事は…もう忘れて欲しい…。』 「「「…………。」」」 『…今まで、お世話になりました…。皆さんお元気で…さようなら…。』 ←→ [戻る] |