JUSTICE And PIRATES 今の気持ち 「名無しはどこだ?」 「外に居るんじゃねぇか?」 薬草の事で名無しに聞きたい事があったチョッパーは、ラウンジを出ていった。…が、1分もしない内に再び戻って来た。 「ナミ〜〜!サンジぃ〜〜!」 「どうした?!」 「…名無しとゾロがまたモメてんだ…」 「えぇ?!」 ナミとサンジとチョッパーは、ラウンジを出た。 『あんたねぇ…いい加減にしてよ!人の事を根ほり葉ほりと…!!』 「言えねぇ事なのか?!あァ?!」 メリー号甲板に響き渡る名無しとゾロの声。明らかにモメていた。 発端は、青雉との事を含めた名無しの過去などを、ゾロがしつこく聞いた事だった。 名無しの全てを知りたいゾロと、言いたくない名無しが対立したのだ。 「名無し〜!ゾロ〜!ケンカしないでくれよぉ〜〜!」 「おい毬藻!名無しちゃん!!」 「何やってんのよ!?」 名無しとゾロの言い合いは、チョッパー達がやって来ても止まらなかった。 当然、2人が発した言葉は、全てチョッパー達の耳に入る。 「お前、青雉“さん”つったよな?海兵をさん付けで呼ぶ海賊なんか居ねぇ!!」 『うるさい……』 「白ひげの船に乗る前は、どこに居た!?」 『どこだっていいでしょ!!』 「それに…一番気になるのは、最後に青雉が言った言葉だ!あれはどういう意味だ!!」 “白ひげとケンカしてでも”ってどういう事だ!あいつって誰だ!!と、矢継ぎ早に突っ込まれる名無し。 いよいよ、我慢の限界が来たようだ。 『いい加減黙れ!!!何もかもアンタに言う義理は無いわ!!』 「あァ?!それは言えねぇ『黙れつってんのよ!!!!』 ヒュンッ…! 「ーーー!!」 「「「ーーー!?」」」 『………あ』 「な、何だ今のは…?」 ゾロの肩を掠めた何かは、後方のマストに穴を作っていた。 「名無し…お前、今何した…?!」 よく見ると、ゾロの肩が破れている。 「名無しちゃん…?」 『あ、サンジ…。ナミ達も……』 しーん…… 「………………。」 暗い空の下で続いた名無しとゾロの言い合いは、名無しが何かを飛ばした事により、ようやく終わりを迎えた…。 『…………。』 こんな時に、飛ぶ指銃初成功の名無しだった…。 ───── 名無しとチョッパーとサンジは室内に入っていき、甲板にはナミとゾロが。 「ナミ…オレぁ諦めが悪い男だ。」 「知ってるわよ!…でも、名無しが言いたくない事を無理矢理言わせるのは、どうかと思うけど?」 「オレは、名無しの全てが知りてぇ…(オレはまだ名無しが…)」 「……………。」 ───── 翌日― メリー号は無人島を出航した。船の上では、次の島へと思いを馳せるルフィ達の賑やかな声が響いている。 そんな中、名無しはひたすら女部屋に篭もり、青雉の言葉を思い出していた。 『……次の島に…居るのね…。』 このまま、会わない事も出来るが…。青雉から、あんな事を聞かされたら…… 『〜〜〜〜〜っ!!!』 1度は封印した思いが再燃して来た名無し… 「いいか名無し!大事なのは、今の自分の気持ちだ!」 『…………。』 「上手く言えねぇけど、まぁ…自分に正直になれって事だな!」 『……。わ、分かった。……ありがとう…』 「おぅ!〜でも、お前分かんねぇ奴だな!見る目ねぇっつーか。あんな化け猫のどこが良い……Σイデッ!!」 『…失礼な!(怒)』 「じょ、冗談だ名無し…。髭引っ張るな(痛)」 『参ったわ……。』 苦笑いを浮かべた名無しは、冷たい飲み物を飲もうと部屋を出た。 ←→ [戻る] |