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JUSTICE And PIRATES
隠し扉
「本棚の裏に怪しい扉?何でそんな事知ってんのよ?!」

「偶々見ちゃったんだって!…で、その本棚どかして掃除しようとしたらキレられたのよ?(怒)
よっぽど見られたら困るのね…。ま、何があるかなんて興味ないけど。」

『(……本棚の裏に扉…。隠し部屋…?)』

来たばっかりの自分が、あれこれ聞きまくるのはマズイだろうと、黙って聞き入る名無し。

『(大臣の部屋を掃除する時、調べてみるか…)』






「毎日グチらなきゃ、やってらんないわよね〜?」

「ホントよー!完全オフ日なんて滅多に無いし、みんなで喋るこの時間が唯一の楽しみなんだからさ〜!」

「名無しも、言いたい事あったら言いなさいよ〜?何でも聞いてあげるから〜。」

『あ、ありがとう…。』

その後グチと談笑が一段落したメイド達は、各自ベッドに入って休む事に。

「じゃ、おやすみ〜!」

「おやすみー!」







ガサッ…

『…………?』

ベッドに横になった名無しが、任務の段取りを考えていると、頭上の衝立になっているカーテンが開く。

「…ごめんね、もう寝た?」

『いや、起きてるけど?』

ひょっこり顔を出したのは、昼間ハゲ大臣に泣かされたメイドだった。





なかなか眠れないというメイドと、暫く話し込む名無し。
その中で、誰もやりたがらない大臣の部屋の掃除は当番制だという事を知った。

『(当番の人以外は立ち入り禁止か…。自分に回って来るまで、待つしかないか…。)』


─────

翌日―

「名無しちゃん、あなた仕事覚えるの早いわね〜。」

『…そう?』

エニエス・ロビーで、予め予習していたせいもあってか、人から指示が出る前にテキパキと仕事をこなす名無し。

「…あの新入り、なかなか手際の良い子じゃないか!」

「先週辞めたメイドは酷かったからな〜。ああいう子が入って来てくれると、ありがたいな…!」

こうして信用を得る事で、城内で諜報活動し易くしようとする名無し。
つかみはOKのようだ。



城内全ての部屋の場所、隅々に至るまでの見取り図、城内にいる全員の顔と名前と各行動パターンと人間関係…
名無しは約半月かけ、それらを全て頭に叩き込んでいった。








バシッ!

『痛っ!』

「おい!このワシがお通りだというのに、一礼と挨拶はどうした!!」

ある日、窓を拭くのに集中していた名無しは、大臣が通ったのに挨拶をしなかったという事で怒られるハメに…。

『(げっ!嫌な奴が現れた…)も、申し訳ありません。以後、気を付けます。』

ウダウダといちゃもん付けてくる大臣に、ムカつきながら謝る名無し。

「そういえばお前、明日ワシの部屋の掃除当番だな!?
手抜きしたら、承知しないからな!!」

不機嫌MAXの大臣は、言うだけ言うと肩で風を切って歩き出した。
その先には、モップを持っているメイド仲間が…。

「大臣様、おはようございます。」

「…おい!挨拶したのはいいが、頭が高い!!」

頭を下げる角度について、ダメ出しする大臣。メイド仲間が更に頭を下げると、フン!と鼻を鳴らし大臣は去っていった。

『…相変わらず、ウチの長官並みに偉そうだわ…ι』

名無しが、コーヒーを零してばかりいる上司を思い浮かべていると、メイド仲間がこちらに駆け寄って来た。

「名無し〜!最低〜あのハゲ!(怒)」

『全くだわ!(怒)
あ〜明日の掃除当番イヤダ〜!
(…でも、任務の為に我慢我慢…)』


掃除当番当日―

「隅々まで綺麗にするように!」

『承知いたしました。(何ジロジロ見てんのよ…!)』

椅子にふんぞり返って座っている大臣の視線を感じながら、せっせと掃除する名無し。

しばらくして、大臣がトイレに立った。
名無しは、チャンスとばかりに例の本棚をどかし、壁の扉を確認。しかし、当たり前ながら鍵が掛かっていた。


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あきゅろす。
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