JUSTICE And PIRATES
メイドになったCP9
コンコン…ガチャ!
「失礼します!お時間です……って、あれ?CP9のお3方は?」
「あぁ、今呼んでくるから、先に出航準備しときなさい。」
「はっ!!」
マリンフォードの港から海軍の軍艦に乗り、途中で民間船にカモフラージュした船に乗り移った名無し達。
約半日後、今回の任務地であるとある王国に到着した。
国自体は大きくないが、立派なお城に賑やかな城下町と豊かな自然。なんの変哲もない普通の国だった。
「じゃあな、お前ら!」
「…ヘマすんじゃねぇぞ野良犬!」
「あァ?!いちいちうるせぇな化け猫!(怒)」
『じゃあ2人共、私こっちだから!』
途中で分かれた3人。名無しは、真っ直ぐお城を目指した。
お城に着いた名無しは、あらかじめ用意していた身分証を門番に見せた。
「ほぅ…、君が新しく入ったメイドだな?」
通行が許可された名無しは、城内に入った。
『うわっ……!』
超豪華なシャンデリアに赤い絨毯、広いエントランスの壁には蝋燭。御伽噺話に出て来そうな内装に、暫し見入る名無し。
すると、1人の女性が声をかけて来た。
「あのー…、君ってメイドの新入りさん?」
『…あ、はい!そうです!』
「良かった来てくれて。あなたを待ってたのよ!さ、行きましょう!」
名無しを待っていたという、この女性についていく名無し。
沢山の部屋に、城内で働いていると見られる色んな格好をした人々…。それらを横目で見ながら、女性の後ろを歩いていった。
─────
ガチャ!
「みんなー、新入りさんが来たわよ〜!」
名無しが通されたのは、ズラリと並んだ2段ベッドに中央部にはテーブル、壁の向こう側は風呂、トイレ、洗面所など…メイド達が共同生活する部屋だった。
『み、皆さん!今日から、ここで働く事になった名無しです。宜しくお願いします!』
名無しが挨拶を終えると、室内にいたメイド達は一斉に名無しに駆け寄って来た。
「名無しちゃんね〜、宜しく〜!」
「人手が足りなかったから、ウェルカムって感じ〜!宜しくね〜!!」
『あ、ハイ……。』
とりあえず歓迎されているみたいで、ホッとする名無しだった。
その後、名無しは、バスルームやロッカーなど、これから使うモノの案内と説明を受けた。
「〜とまぁ、こんな感じね!他にわからない事があったら聞いてね?」
『あ、ありがとうございます…。』
「もう、そんなに改まらなくていいわよ〜!…はい、次はこれに着替えて!」
『……………。』
メイド服に着替えた名無しがセコセコしていると、メイド仲間が声をかけてくる。
「あら〜、似合うじゃない♪」
「うん。似合う似合う!」
『そ、そうデスカ…?』
「じゃあ、次は各場所に挨拶回りね!」
ガチャ!
「ぐすっ……!」
名無し達が部屋を出ようとした時、1人のメイドが泣きながら部屋に入って来た。
『………?』
「どうしたの?!またアイツにイビられたのね!!」
「最っ低!あのハゲ大臣!!」
「名無しも、ハゲ大臣には気を付けなさいよ〜?」
『は、はぁ…。』
案内役のメイドと共に部屋を出た名無しは、国王やハゲ大臣の元を始め、調理場や衛兵詰め所など、城内のあらゆる場所へ挨拶回りに出向いて行った。
その日の夜―
本日の仕事を終えた、名無しを含むメイド達全員は、部屋のテーブルを囲んで談笑…いや、グチっていた。
ベッドの数の割には、メイドの人数が少ない。聞くところによると、大臣の執拗なイジメが原因で何人も辞めたとか…。
「あ゛〜疲れた〜!」
「あの無駄に偉そうなハゲ大臣!今日もムカついたわ〜!(怒)」
「毎日毎日、ハゲ大臣の部屋の掃除なんてアホ臭いったらありゃしないわね!」
「ハゲのクセに綺麗好きなんだから〜(嘲笑)」
『(…ハゲは関係ないと思うけど…ι)』
ハゲハゲと連呼するメイド仲間達。この城の大臣、よっぽどの嫌われ者らしい。
「そ〜言えばさぁ〜、アイツの部屋に怪しい扉があるんだってー!」
本棚をどかしたら現れる扉を偶然見た、というメイド仲間の話に、名無しは聞き耳を立てた。
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