JUSTICE And PIRATES 対面 ガープとメアリーは、主の居ない名無しの部屋に居た。 「……ここが名無しの部屋…」 メアリーは、感慨深そうに周りを見渡している。 「…こんな難しそうな本を読んでるのね…。…ここは花壇?それとも畑かしら…。…あら、これは……」 部屋にある色んな物に触れながら、メアリーはまだ見ぬ成長した名無しに思いを馳せていた。 「…………。」 「それにしても、名無しはどこへ行ったんじゃ?さっきの長官は、部屋に居るって言ってたのにのぅ…」 ガチャ! 「「…………!」」 「おーい、名無し居るか〜?…って海軍本部の中将?!」 扉を開けて入ってきたのは、名無しではなくジャブラだった。 ガチャ! 「…何で、野良犬が名無しの部屋に居るんだ。」 「時間までヒマだから、喋りに来たんだよ!悪ぃか!てめぇこそ、何の用だ化け猫!」 ジャブラに続き、ルッチも名無しの部屋に入って来た。 「…海軍本部からの…?予定より早過ぎる気が…」 ───── 「今から2時間後の午後1時に、司法の塔1階迎賓フロアに集合じゃ!」 「了解。」 その後、腹が減ったと言い出したガープはメアリーと共に、司法の塔内の食堂へと向かっていった。 「…ホントは、名無しと一緒に昼メシを食べる予定だったんだが…。見つからないものは仕方ないのぅ…。」 「…会うな…って事でしょうか…」 「そんな訳ないじゃろ…ι」 『……。』 ガープ達が言葉を交わしていると、肩に白い鳩を乗せた女が通り過ぎた。 2人は大して気にも留めなかったが、鳩の女に駆け寄ってきた海兵達の言葉に、2人は反応する事となる。 「「名無しさ〜ん!こんにちは〜♪」」 2羽烏が現れた。 「ーーーー!」 「…今、名無しって…」 ガープは、鳩を肩に乗せた女名無しに近づき名前を確認した。 「おぉ!君が名無しか!」 『はい、そうです。あなたは、海軍本部のガープ中将ですね!』 「……………。」 メアリーは、ガープの後ろに隠れるようにして立っている。 「(か、海軍本部の中将が来た…)し、失礼します!」 大事な任務の話でもしに来たんだろう…と珍しく空気を読んだ2羽烏は、ガープに一礼をし去っていった。 その後、軽く談笑する名無しとガープ…そして、それを見つめるメアリー…。 「(名無し…大きくなったわね…。)」 あの頃より、幾分も成長した愛娘名無しが…ずっと気に掛けてた名無しが目の前に… 「(あぁ…名無し…元気そうで良かった…。本当に良かった…名無し…名無し…!)」 メアリーは、心の中で何度も名無しの名前を連呼しながら、溢れ出そうになる涙を必死にこらえていた。 「〜おぉ、そうじゃった!」 ガープは、自分の後ろ立っているメアリーを前に出し、自分の部下だと紹介した。 『こ、こんにちは…。』 「…こんにちは…。」 目の前にいる女海兵が、母メアリーだとは全く気付かない名無し。 一方で、娘を前にしても母だと名乗れない…けど、抱きしめたいメアリー。 『…………。』 「………………。」 「…………。」 ガープはその光景を、ジッと見つめていた。 しばらくして― 「名無し、ここにいたのか」 沈黙を破ったのは、名無しを探していたというルッチの声だった。 「一体、今までどこで何してたんだ。」 『あー…、裁判所の屋上で寝てた。』 「は?…んなトコで寝るなバカヤロウ…。…昼メシは?」 『まだ。』 「じゃ…食いに行くぞ。」 ルッチは、名無しに背を向けて歩き出した。 『じゃあ、ガープさんとメガネの海兵さん、また後で…』 名無しは、ガープ達に一礼をすると、小走りでルッチの後を追った。 ───── 午後1時― 司法の塔1階に集まった名無し、ルッチ、ジャブラのCP9組は、ガープ達と共に塔を出て軍艦が停泊してある場所に向かった。 その途中、メアリーが小声でガープに話かける。 「…名無し…、任務のメンバーに入っていたんですね…。」 「あれ?言わんかったかのぅ…。」 両サイドに、ズラリと一列に並んでいる役人と海兵達。彼らに見送られながら、名無し達は軍艦に乗り込んだ。 ←→ [戻る] |