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JUSTICE And PIRATES
疑問
『おかーさま、おはなしってなに?』

メアリーに呼ばれていた名無し2は、本を読み終えると母の元へとやって来た。


「………。あなたはね…、お父様達には名無し2って呼ばれてるけど、実はね………『またぁ〜〜?おかーさましつこい〜。もうききあきたー!』

メアリーの話。
それは名無し2は本当は女の子で、名前は名無しだという事、
みんなの前、特にアンデルの前では女の子の仕草をみせない事などを毎日毎日耳にタコが出来る位聞かされていた。

「あとね…、名無し!お母さんといっしょに…………






ボカ―――――ン!!!

「ぐわぁ―――!!!!!!」

突然の爆発音と共に聞こえてきたのは誰かの悲鳴。


『――――――!?』

「あっ、待ちなさい!」

母の声を聞かず名無し2は外に出た。


「うぐ……っ………」



『あ……………!!』

名無し2が見たのは、全身傷だらけで苦しそうにもがく男の姿だった。

『おかーさま!おとーさま!たいへん!!』

「…………!!ダメよ!見ちゃダメ!!

(……。無理矢理首輪外して逃げようとしてああなったのね…。かわいそうに…。)」

メアリーは名無し2の目を覆って視界を遮った。


「名無し2!どうした?」

騒ぎを聞きつけて屋敷から出てきたアンデル。

『おとーさま!あのひとがたいへんだよ!ちがでて、くるしそう!』


「……あぁー。問題ない。ほっときなさい。

…まったく!迷惑な奴だ!」

アンデルは冷たく言い放つ。

『………え?なんで?たすけてあげないの?!かわいそうだよ…。』

「その必要は無いんだ。たかが奴隷ごとき、どうなっても我々には関係ない。
使えなくなったら、サッサと捨てて新しいのを買えばいいだけの事だ!
そんな事より、今日は名無し2のおじい様が来るんだからな…!」

そう言うとアンデルは名無し2を連れて屋敷に入っていった。








「あーあー…。逃げようとするからだえ。
自業自得だえ!」

ドカッ!ボカッ!
奴隷を足蹴りしながら見下して言う男…

「お父上様〜、新しいの買うアマス〜。」

「ああ、そうしよう。
おい!早く片付けておけ!目障りだ!」





─────

『……………。』

屋敷の中に戻った名無し2は、何やら考え込んでいた。

「どうしたの…?」

メアリーが話しかけてもスルー状態だ。

「おい、そろそろ2時だ……って名無し2どうした?」

「さっきから黙ったままなのよ…。」


「たかが奴隷ごとき、どうなっても我々には関係ない。
使えなくなったら、サッサと捨てて新しいのを買えばいいだけの事だ!」




『……。ねぇー、なんかへん…。どれいって?
すてるとか、かうとかって…ゴミでも、ものでもな…「名無し2!我々は特別な人間なんだ。だから何しても許される!
奴隷や下々民共とは住む世界自体が天と地ほども違うんだよ!
いつも言っているだろう!!」

『う〜ん―……。』

強めの口調で言うアンデルだが、名無し2は納得いかない様子だ。

「もうすぐ2時だ。迎えの準備をしなさい。」

そう言って部屋を出るアンデル。



『おかーさまー…。』

「………。名無し…私も奴隷を見るのは心苦しいわ…。
出来ればそんなの無くなって欲しい…でも、どうにもならないのよ…。

お父様の前ではこの事は言っちゃダメよ…!」

『う〜んー……。』


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