JUSTICE And PIRATES
不穏な動きと神の国
「なになに……?
天国の門だと!?縁起でもねぇ〜!死にに行くみてぇなモンじゃねぇか!!」
『…案外、私達全員死んでるんじゃない?』
「名無し〜、何サラリととんでもねぇ事言ってんだよ〜!(泣)」
「あっ、誰か出て来た!」
パシャパシャとカメラのシャッターを押しながら出て来たのは、小柄なおばあさん。
よく見ると、背中に羽がついている。
ここは空…
背中に羽=天使ということで、船から身を乗り出すほどテンションの上がったサンジだったが…
「…………。」
あまりのイメージの違いに、ガックリと肩をおとしたのだった。
「お前さん達、何しに来たんだい?観光かい?」
「観光?まぁ、そんな所ね…。」
『ちょうど良かった!おばあさん、私達もっと上に行きたいんだけど……』
「あぁ、それならこの先から行けるよ…」
「本当か〜!?」
漸く上に行く方法が見つかり、喜ぶルフィ達。
おばあさんは、上に行く為にはこの門を通過しなければならないと説明し、入国料と称してお金を請求して来た。
「え〜っ!金取るのか〜〜!?」
「も、もし…お金なかったら…?」
「通っていいよ。」
「「Σいいのかよ!」」
どうやら、お金が無くても通れるみたいだ。
通る通らないはルフィ達の自由…。そうともなれば、答えは決まっている。
「ばーさん、オレ達空島に行きてぇんだ!だから、金無いけどここ通るぞ!!」
「…分かった。8人でいいんだね?」
「ああ!!」
ルフィの意志を確認すると、おばあさんは笛を吹いた。
この時、おばあさんの口元が怪しく歪んだ事は、誰も知らない…。
すると、船がガクンと揺れ、白い海から現れた巨大なエビが船体をガッチリ掴み、おばあさんの合図と共に走り出した。
門をくぐり抜けた先に続いているのは、きしめんみたいな白い一本道。
『…このエビに乗って行けばいいって事ね!』
メリー号を乗せたエビは、きしめん道をひたすら進んでいった。
「…………。」
メリー号の姿が見えなくなると、怪しげな笑みを浮かべどこかに連絡を入れるおばあさん。
「えー、こちら天国の門監視官アマゾン。
神及び、神官各位へ…
たった今、青海から神の国スカイピアへの不法入国者8名を確認…。
天の裁きにかけられたし―」
─────
天国の門にて、怪しげなやり取りがあったとは知らない麦藁一味&名無しは、エビに背負われきしめん道をひた走っていた。
分厚い雲の中なのか、門をくぐる前と比べて辺りが少し暗い。
しばらく走っていると―
「おい、出口が見えて来たぞ!!」
『…………。』
「これは出口じゃねぇ!入り口だ〜!!」
きしめん道の果てに待っていたのは、神の国スカイピア。
雲の上に建っている家に、雲の上に生えてる木。真っ白なビーチには白い海の波が打ち寄せている。
麦藁一味と名無しは、念願の空島に到着した。
「うぉ〜っ!来たぞ空島ぁ〜〜!!」
「すげぇ……!!」
『…ホントに来ちゃた…。』
「早速上陸だ!!」
テンションだだ上がりのルフィ達は、速攻でメリー号から飛び降りスカイピアに上陸していった。
「全くアイツらは…」
先走り過ぎるルフィ達に苦笑いしながらも、ガッツリへそ出しビキニに着替えたナミは、嬉しそうにハシゴを降りる。
余談だが、ナミの姿にサンジがメロリンになったのは言うまでもない。
「名無しもロビンも早く来なさいよ〜!」
「私達も降りましょ!」
『そうね…!』
ナミに急かされるようにして、名無し達も上陸した。
─────
「ここは海軍も追って来ないから、思う存分羽伸ばせるわ〜!」
気持ち良さそうに寝そべって背伸びをするナミ。その隣には、名無しとチョッパー。
雲から生えている花を見ているロビン、木に登るルフィにウロウロするサンジなど、それぞれの時間を過ごしていた。
←→
[戻る]
無料HPエムペ!