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JUSTICE And PIRATES
0or100の賭け
「空島?…ぶわっはっはっは!!何だお前ら、空島の存在を信じてんのか?」

「空島はねぇのか?!」

「無いといえば無いし、あるといえばある!」

「「「……は?」」」

クリケットはルフィ達全員の顔を見渡すと、一呼吸置いてまた口を開く。

「…おめぇら、空島の存在を信じるか?」

「あぁ、信じるぞ!!」

「どうしても空に行きてぇか?」

「行きてぇ!!!」

力強く答えたルフィに満足げな笑みを浮かべたクリケットは、自分の知る空島へ行ける可能性について話出した。

それは、ヘタすれば島を吹き飛ばすほどのとんでもない力を持つ特殊な現象、ノックアップストリーム(突き上げる海流)に乗り、一気に空へ飛び上がるというものだった。

『…そんな凄い海流があるのね…。』

「大丈夫かよ、おい…」

「それは実際に、突き上げる海流に乗ってみないと分からん…。
飛び上がった先に空島があればいいが、もし無かっらアウト!
空振りとなり、そのまま海に叩き付けられて全員オダブツだ!」

「「「…………。」」」

全員空島に到着するか、全員あの世行きか…?0か100かの賭けだった。

「面白ぇじゃねぇか!ひし形のおっさん!オレ達、空島に行くぞ!!何とかって海流に乗りてぇ!!!」

「ル、ルフィ〜!今の話聞いてたのか?!ヘタしたら死ぬかも知れねぇんだぞ!!」

ビビり気味のウソップが言うが、ルフィは全く動じない。

「上等じゃねぇか!死ぬのが怖くて、海賊なんかやってられっかよ!
こんな大冒険、逃したら一生後悔するぞ!!」

これでもかという位の、キラッキラした笑顔のルフィ。
そんなルフィの笑顔の中にも、確かな覚悟と信念みたいなのを感じ取ったクリケットは、麦藁一味の空島行きの為力を貸す事を約束した。

「マジかよ〜〜…。」

『…ウソップ、腹くくった方がいいみたいね…。ルフィは空に行く気満々だし…、ああなったルフィは誰にも止められないわよ?』

「おう名無し!オレの事よく分かってんな!」

『ふふっ…!』

「…ところでクリケットさん、その突き上げる海流ってのはいつ発生するの?」

「あぁ…、明日だ。」

『「「「あ、明日ァ!!?」」」』


─────

日が沈み、辺りが暗くなり始めた頃クリケットの家では、すっかり意気投合した麦藁一味&名無しと猿山連合軍による、空島への前夜祭と称した宴が開かれていた。

「〜〜〜まぁ、明日は突き上げる海流の発生地点まで、マシラ達に遅らせるから!」

「よろしくな!猿達!」

「「おう、任せとけ!!」」

肉を片手に、笑顔で親指を立てる猿達。

「さぁ〜名無し〜!!もっと飲むわよ〜!!」

『…………ι』

「オウ、コックのニーチャン!おかわりくれるか?」

「あぁ、いいぜ!」


宴が始まって暫くした時だった。
ワイワイと和やかな雰囲気の中、クリケットが急に叫ぶ。

「しまったぁー!すっかり忘れてた!お前ら、今すぐ森へ行け!!」

「「「…は?!」」」

「何言ってんだ?おっさん」

突き上げる海流の発生地点は分かっても、どうやってそこに行くかが問題。

普通の航海なら、ログポースに従って目的地の島を目指せばいい。しかし、今回の目的地は島ではなく海。

「一旦海に出てしまえば、方角もヘッタクレもねぇ!
だから、方角を知るためにサウスバードという鳥を捕まえて来るんだ!!」

常に南を向いているサウスバードという鳥の習性を利用して、海の上でも方角を知ろうという事らしい。

『なるほどね…。』

「何がなるほどなんだ?名無し」

『…ルフィ、今の話聞いてなかったでしょ…。
まぁ…早い話、サウスバードを捕まえないと空島には行けないのよ!』

「何ーっ!!そりゃ困る!早速捕まえにいくぞ〜!!」

「オレらはその間、おめぇらの羊船を空島仕様に改造しておく!
…考えてみりゃあ、呑気に宴会やってる場合じゃなかった…!!」


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あきゅろす。
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