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JUSTICE And PIRATES
新しい世界へ
『いやっ………放して!!』

追っ手が名無しを網ごと捕まえ、連行しようとした時、

「魚人空手!!」

ドゴォーーン!!

タイガーが追っ手を一発KO!名無しにかかっている網を取っ払った。

『ありがとう!』

何とか連行されずに済んだ名無しは、負傷している姉妹達の姉の腕にハンカチを巻いて応急処置をした。

その後、どっから涌いて来たのか…追っ手のザコ海兵達を次々ぶっ飛ばすタイガーに、風を巻き起こして混乱させる名無し。

姉妹達は、魚人と天竜人が協力している光景を不思議に思いながらも、必死に逃げていた。





「…お主も悪魔の実を食べたのか…。」

『うん…。カゼカゼの実だって。』

「……………。」

『……………。
あなた達3姉妹と一緒だね、私!』

にっこり微笑みながら言う名無し。

「「「…………!」」」

悪魔の実を食べさせられたのが嫌で仕方なかった姉妹達は、そんな名無しの微笑みと言葉に、少しだけ気持ちが軽くなった気がした。









「走れ!二度と捕まるな!!」





『…どうか無事で…!』

「…ありがとう!そなたも、どうか無事で…!!」

姉妹達は、去り行く名無しの姿を見つめていた。

「姉様……。」

「…まさか、天竜人と魚人に助けられるなんて…。」

「………名前聞くの忘れた…。」


シャボンディ諸島で、父親と妹を殺されたあの少年とは全く別の意味で、名無しの顔が脳裏に深く深く焼き付けられた姉妹達。

「……………。」

一番上の姉の手には、名無しによって応急処置の際に巻かれた星柄のハンカチが握り締められていた…。


─────

数日後―

名無しはタイガーや、解放された魚人達と共に海の上にいた。
マリージョア以外では、常に変な宇宙服みたいなやつと透明なマスクを着用させられていた名無しだが、それが今は無い。

『気持ちいい潮風〜!』

海に居れば当たり前の日差しと潮風を直に体感した名無し。
今まで知る事のなかった感覚だった。


島に上陸しても、あの時みたいに人々は誰も頭を下げない…。
前は、天竜人がいるというだけで嫌な緊張感に包まれていたが、それも無い。

何もかもが名無しにとって、新鮮だった。

ただ、その中で魚人を差別したりするシャボンディ諸島は嫌いだったが…。


「おう、お前さん!これ食ってみろ!」

1人の魚人が、何か丸い物を差し出して来た。
名無しが、これは何かと聞くと“たこ焼き”という食べ物だという。

『たこ焼き?食べられるの?』

「あぁ食べられる!美味いぞ〜!」

『…………。』

名無しは、たこ焼きと呼ばれた食べ物の匂いを嗅いだり暫くジッとみた後、パクリと口に含んだ。

『Σ熱っ!…でも美味しい!私、こんなに美味しい食べ物食べたの初めて!!』

すっかりたこ焼きが気に入った名無しは、見事完食した。

『ありがとう、美味しかった♪』

「そりゃあ良かった!」

魚人達の中に人間が1人…ある意味異様な船の上には、穏やかな空気が流れている。

魚人達は口にこそ出さないが、奴隷だった自分達を解放してくれた名無しには、みんな感謝していた。

魚人は人間が嫌い、その中でも天竜人は最も憎むべき相手…でも名無しだけは特別だ。
天竜人らしからぬ名無しの言動に好感を持ち、奴隷解放の一件と合わせて名無しの事は、魚人達の間で語り継がれるのだった。


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あきゅろす。
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