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JUSTICE And PIRATES
奴隷解放U
「〜〜〜〜!!」

『………。』

名無しは、泣き続ける女の子にかける言葉が見つからないでいた。

しばらくして―

「姉様ーー!!」

「居たわ!あそこよ!」

「………!?
ソニア!マリー!!」

2人の少女が、慌てた様子でこちらに走って来た。どうやら、この女の子の妹達のようだ。

「そなた達、無事で良かった…!」

「姉様も…!」

3姉妹は対面を果たし、互いの無事を確かめ合うように抱きしめ合っていた。

その様子を目を細めて見ていた名無しは、取り込み中悪いと思いながらも声をかける。

『…とりあえず逃げて…!今はゆっくりしてる時間はないわ!』

「「ーーーー!!」」


薄汚れたみすぼらしい格好の元奴隷達と違って、いくら疎まれていても天竜人である名無しは、それなりの格好をしていた。

それを見て名無しが誰なのか悟った妹達は、思いきり顔を歪めた。








「おい、居たぞ!!」

『ーーーー!!!』

逃げようとした3姉妹達と名無しを、複数の男達が取り囲んだ。
男達は、こんな時間にもかかわらず事態の鎮圧の為に召集された海軍本部の海兵達と、奴隷が逃げ出して怒り心頭の天竜人達だった。
おまけに、天竜人達の中にはアンデルも居た。

タイガーと共に奴隷解放に大きく関わり、最早奴隷解放事件の主犯扱いの名無し。

「貴様という奴は…!!こんな事をしでかして、許されるとでも思っているのか!!?
自分が何したか分かっているのかァ?!

悪魔の実の件といい、次から次へと…貴様は……!!!」

すでに怒りの頂点を超えているアンデルは、呼吸をするのも忘れ名無しを怒鳴りつけ激しくなじった。

名無しは、うるせー!と思いながら、この状況をどうするか考えていた。

「〜〜〜〜〜!!」

『〜〜〜!!!』

激しく言い争うアンデルと名無し。
3姉妹は、そんな2人を怯えた表情で見ていた。

名無しは姉妹達に向き直り、怯えている姉妹達を安心させるかのように軽く抱きしめた。

「「「………!」」」

『必ず逃がすから…!』

名無しは姉妹達を自分の後ろにやり、取り囲んでいる男に向かって両手を翳す。

「………?」

「あいつ…、悪魔の実の能力を使う気だ…!」

アンデルが言ったのと同時に、名無しは手から風を発生させた。

ブワァ〜〜!!
ゴォーーー!!!!

「何っ!?」

まさか名無しが悪魔の実の能力者だとは、夢にも思ってなかった海兵達はたじろいだ。

名無しは更に風を発生させると、腕を左右に振る。
それによって広範囲で突風が吹き、海兵と天竜人達は名無しを捕まえるどころか、立っているのがやっと状態に。

「「「………。」」」

その様子を見ていた3姉妹は、唖然…。




「大変じゃ!海軍大将が来た!!」

大声を出しながら現れたのはタイガー。

今目の前にいるのは下っ端の海兵で、海軍の最高戦力と言われている海軍大将がマリージョアに現れたとの事。

「その娘達も早く逃げるのじゃ!!」

『急いで!!』

後ろで喚いている下っ端海兵達と天竜人を無視し、名無しと姉妹達は走り出した。


─────

ドテッ…!

「うっ…!!!」

走っている最中、3姉妹の一番上の姉が転び、その拍子に落ちていたガラスの破片で腕を負傷。

すぐ後ろには、追っ手が迫ってきていた。
名無しは、悪魔の実の能力を発動させようと構えたが…

ドン…!
パサッ…


『え……!?
力が入らない……!』

追っ手のバズーカからは、対能力者用・海楼石仕様の網が放たれ、名無しを覆った。
能力者である名無しは力を奪われ、身動きが取れない。


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あきゅろす。
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