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ぺるでれら
ぺるでれら B

前回までのあらすじ
やっとこさお城に着きました。あと王子役は『○○王子』でお馴染みのあの方らしいですよ?



お城ではすでに舞踏会がはじまっているようです。
だだっ広いダンスホールの中心には、ひときわ目をひく美少年―――王子様。
「さぁお嬢さん、お手をどうぞ」
王子の手に導かれるように女性がすっと近付き、2人を包むのは優雅な音楽――

ドゴン!!

の中なんで乱暴に扉を開けるのはやめましょう、シンデレ――

――――。

――――。

「なんか言えやゴラぁ!」
あ、ごめん。思ったよりスゴイ格好だったから…うん、なんかほんとごめんね。
「いや、本気で謝られるとよけーキツイんスけど…」
変身後で攻撃力(見た目の)がアップした完二デレラが歩き出すと、周りの女性はザザザーッと道を譲りました。…これ、本当はシンデレラの綺麗さに驚くシーンよね?
それと巽君の顔が赤いのは服装が恥ずかしいからでしょうか、それとも…
人垣が割れていき、その中心にいる王子の姿が見えてきました。線の細い、少年のような後ろ姿。
『な』の形に巽君の口が開きます。
その気配に気づき、ゆっくり振り向いたのは、
金髪の王子――

「シンデレラー!この王子クマが待ちくたびれたクマよー!?もーここのオンナノコたちもクマのハートキュンキュンしちゃうけどぉ〜やっぱシンデレラがカクベツクマよね〜☆ささっクマ王子のムネへ飛び込んでいらっしゃ………ってギャーーーー!!カンジぃーーー!?」
「なんでテメーなんだ!!!!」
…台本と違う人が出てきましたね。

「クマ、姿が見えないと思ったら…」
遅れて登場の、母娘チームと魔法使いチームにも予想外だったようです。
「キャーーー!!カンジったらクマのテイソーを狙って!?おーそーわーれーるぅー」
「襲わねーよ!!てめそのネタやめろっつったろがシメんぞコラ!!つーかお前、な、直斗はどこやったんだよ」
「僕ならここにいますが」
「ぬわっ!!」
あ、すぐ近くにいましたね。
「ね〜直斗くん、これどういうこと?」
久慈川さんが真っ先に白鐘君に尋ねました。その後ろにいる面々も、一様に不可解そうな顔をしています。
「ああ、クマくんが王子役がいいと言うので代わったんですよ。」
「むふふ。今はクマが王子様なのクマよ〜」
「チェンジ!!なーにが王子様だこのクマ!つか直斗が王子じゃなきゃ意味ねぇんだよ!!」
「意味ってなんスかイミって!?」
「いいですよ、僕が王子なんて柄じゃないし」
「直斗君(=探偵王子)以上に王子似合う人なんていないよ!あと残ったの『ガッカリ王子』くらいだよ!?」
「ガッカリ言うな!なんで今回文化祭の古傷をえぐってばっかかな…」
「もーぅ、クマのビボウをミンナ忘れてない!?こんなに王子服が似合うっちゅーに」
「却下」
「ゆ、雪子?」
「却下………千枝のほうが王子服似合うと思う」
「ァあたしぃ!?」
「まだ続いてたのか里中王子ネタ…」
「むむ無理無理!!これ(ネコミミ)だけですでにイッパイイッパイだってのに!」
「大丈夫。猫の王子様の映画あったし」
「ネコミミ+王子服!?」
「絶対似合うから」
「本気顔で言わないでーっ!」
「でも雪子先輩、そうすると千枝先輩の相手、完二だよ?」
「………」
「嫌なんスか!?」
「…わかった。あたしがシンデレラやれば解決」
「主役交替!?だから完二と直斗じゃなきゃ意味ないんだっつの」
「意味って何ですか意味って」



…なんだか、収集つかなくなってますね…
「小沢、小沢」
ぅうわっ!?び、びっくりした…。どしたの魔法使い君?
「律儀に役名呼びだな…まあいいか、ナレーション用のマイク貸して」
え?いいけど…はい。
「サンキュ。(すーーーっ)」



『――――落ち着け!!!!』



――キィィィィィ――ン


……………。

「……うるせぇ…」
「耳いたぁい…」
す、すごいね…あたしはマイク越しに聞かなくてよかったよ。
「ま、リーダーの一声ってやつだ」
…………『リーダー』?














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あきゅろす。
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