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狼まであと何秒? N


どうしてこうもコイツは私に無防備に近付いてくるんだ。


何故私が動揺しなければならない

おかしい。


これは何かの間違いだ。


*狼まであと何秒?*



「おい」


「は、はい!何ですか?N」

私が呼べばビクリとし慌てて返事をするAと私との距離は1mだったはずだ
なのに呼んだ瞬間Aは足を後ろに引き下がってしまった

…何故離れる。

離れる必要があるのか
そんなに私が怖いのかお前は


「………」


「…N?」

傷付く自分が分からない。
別に嫌われたっていいはずだ
なのに、
どうして胸が痛い。


「N?どこか痛いんですか?大丈夫ですか!?」


「ッ」


何も言わないままの私を不思議に思ったのかAは小走りで近付き背伸びをし額に手を置いてゆっくりと瞳を閉じた。

その間
動けなかった
いや、動きたくなかったのかもしれない。

大きな瞳が
柔らかな髪が
すぐ近くにある事に気付いたら
私はAを抱き締めてしまっていた


「ッ、え…N!?」

驚いたAがパチリと目を開いたのがわかる

分からない。

怖いはずの私に何故近付くんだ
心配する必要などないはずの私に
どうして無防備に近付いたりする。


「…私は、」


「え…ぬ」


ぎゅっと抱き締めた腕を強くした。
腕の中でAが私の服を掴んだような気がした

胸が跳ねた。


「自分でも分からない。…だが、」


耳元まで顔を寄せ片手で髪に触れる。


「…私は、お前が…、」



たまらなく愛しいらしい。

そう耳元で言うと
腕の中でピクリと動くAにフッと笑い言葉を付け足した。


「だから」


覚悟しておけ。私はすぐにお前を手に入れる
狼になんていつでもなってやるさ
end
波野様リクエスト
プッツンN……ん?!



あきゅろす。
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