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小悪魔だって人間です。 梓


「ね 先輩 キスしてよ」

ニヤリと笑う梓は悪戯を思いついたような悪魔のようで
私は少し溜め息が出た。


私の彼氏は年下で生意気な小悪魔のような子。



*小悪魔だって人間です*



「…梓。ここ部室」


「知ってるよ当たり前じゃん」


わかってないよ梓。
ここは部室で、今まさに部員が集まった所なんだから
宮地だって、金久保先輩だっているんだから。

「いいじゃん。ね?」


先輩。
なんて意地悪な顔で首を傾げられたら困る。
梓は生意気で意地悪で小悪魔のような子だけど、
私は梓が好きなんだから。


「………」


「ふふっせーんぱい?」


梓はそんな私を見てニコニコしてる。
チラッと周りを見ると
宮地は背を向けてるし
金久保先輩は部員みんなを外に出そうとしてる

「梓」


「はいはーいわかってますって諦めます、よ」



だって私だけいつも梓に真っ赤になって戸惑ってるなんて悔しいもん
そりゃ頭から湯気とか出そうなくらい恥ずかしいけど
私は梓に勝てないから。
だから、



「……」


頬にくらいはキスしてもいいよ。


「だ、大好きだよ梓」



ほら、
梓が真っ赤な顔で固まった。




これは私の勝ちって事でいいのかな?





(ず、ズルくない先輩?)(梓がしてって言ったんじゃん)(そうだけどさ…あー…もう)(梓顔真っ赤だね)(ぅ、うるさいよ先輩!!)(…………俺達の存在を忘れてるなあの二人は)
end

時々は梓も主人公に戸惑ってればいい。


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