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パピコ、チュッ! 不知火


まだ夏とは言えない5月半ば。
夏じゃないのに夏のように暑い今日は
生徒会室で黙々と仕事をしている不知火にとっては悪夢なのだ


「暑ぃ……なんでこんな暑いんだろうな」


「ですねー…こんな日はアイスが食べたくなっちゃいますよ―」


カツンッとシャーペンが不知火の手から落ちるとそれを拾い上げ不知火にお茶を差し出し小さく笑った。

それを見て不知火は「サンキュ」っと言いグイッとお茶を飲み干すと
何か思い付いたのか立ち上がって翼のラボに向かった。


「会長??」


不思議そうに首を傾げる月子にニヤリと笑いラボに入って行ってしまった。
今日は金久保と翼は個人個人用事があった為生徒会室では不知火と月子二人だけだから悪いわけではないが
了解がない為月子は落ち着かない様子で待っている。
(普段翼がいる時はラボには入れないのだ)

しばらくすると不知火は手にアイスを持ちやって来た。



「ほらよアイス。翼には黙っとけよ?」


「え、いいんですか?翼に黙って食べちゃって…」
「現会長は俺だから問題無―し。ほら半分こな」


「わっ」

楽しそうに笑ってアイスの一つを投げそれを慌ててキャッチすると月子は嬉しそうに微笑んだ。


「パピコ懐かしいなぁ。私大好きなんです!」


「おう。なんかお前似合うもんな」


不知火はもう食べ始めていた。
「それって私が子供っぽいって言ってますか…?」っと頬を膨らます月子を見て楽しそうに笑っていたが、


「もうっ…いただきます。」

月子が食べ始めたのを見て黙り込んでしまった。


ちゅー
…ちゅー


「…………」


幸せそうに食べる月子。

不知火はその唇を見てニヤリと気付かれないように笑い近くに寄った。


それに気付いた月子がアイスから口を離し上を向いた瞬間。


――チュッ

「………」


呆気に取られた。

不知火は一瞬の隙を見て月子の唇にキスをしたのだ。


ポカンとしている月子の耳元に囁くように腰を下げ
こう言った。


「……キスして欲しいんじゃなかったのか?」


「な゛ッ…」


その真っ赤になった姿を見て不知火は小さく笑うと手をパタパタと扇ぎ意地悪そうにこう付け足した。



「あーあ。さっきより熱くなっちまった」



熱い。暑い。キミの唇で体中が熱くなる。




(あ゛――俺のパピコなくなってる!うぬぬ、何でだ!?)(あ―そいや昨日パピコが勝手に動いてたな)(えぇ!?)(ぬは――!!ぬいぬい会長それ本当!?書記――ッ!)(う……)
end





あきゅろす。
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