鳳長太郎
「ね、ねえ鳳くん…私のキモチ知ってたって、本当?」
「え?あぁ、はい」
「本当なんだ…。じゃあ跡部や忍足も?」
「まあ…。とゆうか宍戸さんもどこかわかってる風でしたけど…」
「宍戸まで!?悟い芥川にはバレてたけど…、このぶんだと知らないの向日だけだったりして」
「あながち間違ってないと思いますよ…?だって先輩わかりやすいですし」
「…へ?」
「日吉だけでしょう…?」
「…?なにが?」
「名前」
「な、まえ…?」
「若って、名前で呼ぶのは日吉だけでしょう…?みんなが名前で呼ぶ芥川さんや向日さんまで苗字ですから、すぐわかります」
「…気付かなかった。そうだよね、ひとりだけ名前で呼べば一目瞭然だよね…」
「でもよかったと思いますよ?」
「よかった?」
「日吉だけ名前で呼んでたから、日吉は先輩のこと意識し始めたんですよ」
「…!!/////」
その日一日、舞い上がってしまった私が数々のミスを犯し、跡部に思い切り説教されたのは言うまでもない。
それでも最後に、
「日吉が待ってる、早く行け」
って言ってくれた。
それが、跡部の隠れた優しさであることくらい私は知っている。
(200805)
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