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いつか始まる恋まで

欲しい物がある


欲しくて、欲しくて、堪らない物がある


手を伸ばせば触れる事はできるのに



どうあがいてもダメなんだ










「ねぇ岳ちゃん、どれがイイと思う?」

「あー?侑士のプレゼントだろ、自分1人で選べよ。其の方が侑士も喜ぶって」

「むぅ〜…」


無邪気に笑うこいつが好きで…、嫌いだ

時に神様は残酷な事をする

まぁ、神様なんて、信じちゃいないけど


今まで、何度想いをぶつけようと思った事か

「こいつを困らせたくない」なんてのは詭弁で、単に勇気がなくて

侑士を…
裏切る事はできなくて




「情けねぇ…」

「岳ちゃん、どうしたの?」

「や、なんでもねえ」



ホント男らしくねえというか、天邪鬼だよなあ…俺って

「2人で両極端な顔して、何しとんの?」

「侑士!どうしたの?」

……今は会いたくなかったかも
うわっ俺ってサイテー…

「岳人に預かりもんや」

「…ん、預かりもん?なに」

「どっちがええ?跡部からと女の子から」

そう言って見せた、ピンクの封筒とフツーの茶封筒




「…は?」

「ラブレター、やって」

らぶれたー

「岳ちゃんもってもてー」

いや、お前以外にもてても…、ってちげぇ!!
ラブレターって


「待て、跡部からって何だ!跡部からって!」

「本気にせな、部活の連絡や」

「なんだ。紛らわしい事言うなよ。くそくそ侑士!」

「岳ちゃんが簡単なんだよ」

「せやせや。単純やねー、がっくんは。あ、そや、岳人これ」

「?」

「これやろ?探しとったやつ」

「あ、これ!なに?探してくれてたのか!?」

「なに、グリップテープ?」

「探したっちゅーか、誕生日プレゼントや」

「ああ!」

「…誕生日。……!明日12日!?」

「忘れとったん?」

「岳ちゃん…ι私聞いたじゃなーい、何がイイと思うー?って」

「直球やね」

「隠す必要ないじゃない?彼氏じゃないんだから」

「……、せやね」

「んな事言ったって侑士のだと思うだろ!1ケ月前だし。それにっ…」

「「それに?」」

「〜〜何でもねえっ!!」


やっぱり天邪鬼


それでも、今のままでも、満足だったり

侑士の隣にいて笑う君は、嫌いじゃない



どうか

―――叶う事なかれ






俺の欲しい物――






いつか始まる恋まで






(20060121)
title)celesta



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