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誰も居ない放課後の教室
気付いて、気付かないで。




複雑なオトメゴコロに、気付いて




でも、気付かないで。







誰も居ない放課後の教室








「ね、今日の帰りクレープ食べに行かない?」




「ごぉめーん、今日ちょっと残らなきゃいけなくて、また今度!」




「そっか、じゃあ仕方ないね」




「ごめんね」




「ううん。じゃ、ばいばい」




「ばいばい、気を付けて帰ってね」





ホントにごめんね、嘘吐いて。




残らなくちゃいけないんじゃなくて、残りたいだけ。





帰る用意をして、鞄を持っていつもの場所へ。
使われていない空き教室。




窓際の席に座って外を見れば、




自然と目に入るテニスコート。




まだ人も疎らだけど、見つけた。

貴方の姿。




ふ、と目が合った様な、気がした




でも、
貴方の目は開いているのかどうかも、判らないけど…ね。




「…!わらっ…た――?」




けれどすぐに、逸れる視線。



「そんなわけナイ、か…」




きっと貴方は気付いてる、私がいつもココにいることに。




“参謀”なんて呼ばれてるくらいだもの。




それでも、やめない。




ここで見る貴方が大好きだから。




だから、



――気付いて、



――気付かないで。





姿を見れただけで、声が聞けただけで、幸せ。








(20060603)
title)aqua tone



あきゅろす。
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