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俺様★命令



「俺の執事をするのは嫌か?」
俺は唖然とした。
だって、庵の奴とても切ない顔をしているから――

「いいえ、結構楽しいですよ!あ、だけど好き嫌いはダメだからな!」
俺は蔓延の笑みで返した。
またもや、時折タメ口が混じってしまう。
相手が俺よりも年下だから思わず年上口調になっちゃうんだよなぁ―…

だけど、庵はタメ口で話しても嫌な顔をしない。

「本当に?」
今度は寂しそうな瞳で訴えてくる。
コロコロと表情の変わる庵に何だか俺は可愛いくて笑ってしまった。

「本当だって!そんな顔すんなよ」
俺は庵の肩を軽く叩いて安心させる。
こう見てみると本当、ガキんちょだなって思ってしまった。

「今、ガキだなって思ったろ」

ギクッ!!

「そんな事思ってないですよ!」
作り笑いする俺に庵はジッーと疑いの眼差しで見つめてくる。
その視線が痛い俺は話を反らすように言った。

「たまに、タメ口になっても怒らないよな?」

「亜稀だから許してんじゃね?」

「え?」

「それに使用人達同様、敬語で話されるのは聞きあきた。ロボットみたいで、俺に歯向かう奴なんていない。正面から向き合ってくれたのは亜稀、お前だけだ」

確かに、ご主人様の息子に歯向かう奴なんていないだろう。
ある意味、タメ口で話をしていた俺も勇気あるな…;

「亜稀なら敬語使わなくていいよ」

「ダメです!雇われている以上、庵様に無礼な言葉使いは―…」

「俺命令だからいいだろ」

「しかし…」

「命令が聞けないの?」

「…なら、時折タメ口を使わせてもらいます」

「あぁ、そうしてくれ!敬語って疲れるじゃん?気楽にしててよ亜稀」

「はい」

ノリがいいと言うか、ポジティブな奴だな庵って。

「それに…、亜樹の事ちょっとだけ気に入ってるし…」
庵は恥ずかしそうに言った

「ありがとうございます」
ちょっとだけって言うのは微妙だけど、気に入られてるなら嫌な気はしない

案外、可愛い奴じゃん。
見た目で遊び人風な感じがしたけど、外見で判断するのは良くないって分かったよ。

少しばかりやる気が出てきたぜ!



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