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呼ばれて飛び出てぱんつから


 気がついた時には、そこにいました。


る枕の



「パパっ! みぬき、とうとうパンツから女の子を出しちゃったよ!」

 目覚め一番に聞いたのは、元気の良さそうな女の子の声。――何故にパンツ。

「ははは、みぬき、それは人形だろ……って、え?」


 男の人の気怠そうな声も聞こえたが、生憎今の私には天井しか見えなかった。

 ……素晴らしき我が家、ではなさそうだ。
 私の部屋は以前兄が使っていた部屋で、天井はこんなに綺麗な白色をしていなかったから。

 私がお尻の痛む体を起こすと、そこには水色の奇抜な衣装を着た女の子と、ジャージを着たニット帽の男の人。


「………………あの」
「喋った! パパ、やっぱりみぬきは人間をパンツから出せたんだよ!」

 出せるか。いや、出せるかどうか以前に人間はぱんつに入らないよ!

「え、いや、あの」
「みぬき、今回はみぬきが凄いんじゃなくてこの子が凄いんじゃないかな?」
「……そうともいうね! みぬき、女の子を出す気は無かったよ!」

 ガン無視ですか。
 ていうか状況把握が限り無く不可能だよせめて私が誰か尋ねてよ!

「あのう!」
「あ! なんか喋ってるよ! パパ、聞いてみようよ!」
「そうだね。そうしないと無限ループの恐怖が七年振りに再来だからね」

 何の事だかさっぱり分からないけど、なんか話を聞いてもらえる雰囲気だ。

「あの、ここはどこですか?」
「あ! パパ、みぬきお仕事の時間だ!」
「それは大変だ。気をつけて行っておいで」
「いってきまあす!」

 いやいやいやいや聞けよ! つーか今の流れはおかしいでしょ!? むしろ狙ったでしょ!?


「……さて、君はどこから来たのかな?」
「……私が知りたいです。私は自室で昼寝してたはずなのに……なのに! 目が覚めたらぱんつ! 何故ぱんつ!
「まあまあ落ち着いて。君は意図的にみぬきのパンツから出て来たんじゃないんだね?」
「そんな技術持ってても使いたくないです」


 なんか分からないけど、ここは私の知ってる日本じゃないらしい。
 今分かったのは、目の前にいるおニイさんが「成歩堂龍一」というかなり変わった名前だということ。

「なるほど、成歩堂さんね」
「洒落たつもりかい? 君の名前は?」
「……みょうじなまえです」
「なまえちゃんね。よろしく」
「……はあ」



 なんか、とりあえず世話になるっぽくなった。








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