あたししか知らない君。
「お前はなんであの女がいいんだ?」
「突然なによ」
みかん畑の手入れをしていたら、近くで寝ていたゾロが話しかけてきた。
いきなり何?
あの女ってロビンの事よね。
ゾロからロビンの話なんて珍しい。
「なんでって言われてもねぇ…」
好きだから、としか答えようがない。
ゾロは全然わからねぇとに溜息をついた。
わかんなくて結構。
「あんな何考えてるのかわからねぇ女の何処がいいんだか…」
「そう?」
「そうだろ」
確かにミステリアスな感じは漂っているけど…。
ていうかなんでロビンの話?
え、まさか…。
「あんた、ロビンが好きなの?」
「んなわけあるか!」
「ロビンはあたしのよ!あんたなんかに渡さない!」
「だから違ーっつってんだろ!」
うん。
ま、わかってるけどね。
ギャーギャー騒いでいたら、ゾロが寄りかかっていた壁から手が生えて。
「っだ!」
頭をポカッと軽めに殴られた。
殴った本人はいつの間にかあたしの後ろにいて。
ゾロは殴られた箇所を擦りながら、ロビンを睨みつける。
「なにすんだテメェっ!」
「悪口は本人のいないところでするものよ」
「いや、いつからいたんだよ!」
ゾロの言うとおり、いつからいたのよあんた。
相変わらず気配を消すのがうまいわね。
あたしだってわからなかったわ。
聞いてみると内緒、だって。
なにそれ。
「本当に何考えてるかわかんねぇ」
ゾロはブツブツ文句を言いながら立ち上がり、その場を去っていった。
結局何が言いたかったの?
あたしはあんたの方が理解できないわ。
二人きりになった空間。
波と風の音だけが耳にはいる。
あたしは隣にいるロビンの顔を見た。
少し不機嫌そうな顔と目が合う。
ゾロにはわかんないだろうけど、あたしはわかるよ。
あいつを殴った事も。
不機嫌で寂しそうな表情も。
ロビンの瞳をみれば、ほら。
「…嫉妬?」
「っ…別に、そういうわけじゃ」
「んもー可愛いなっ!」
頬を赤く染めてそっぽを向くロビン。
可愛くてぎゅうっと抱きつく。
「…だって、すごく楽しそうに話していたから…」
聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟くロビン。
あれがどう楽しそうに見えたのか。
そんな疑問が頭をよぎったけど、今は置いといて。
「ゾロがね、ロビンは何考えてるかわからないって」
「……そう」
「でも、あたしはわかるから」
「え?」
あんたの心の中、ちゃんとわかってるよ。
当たり前でしょ?
「あんたはあたしの、世界で一番大切な恋人なんだから」
ロビンの甘い唇に唇を重ねた。
柔らかな感触がとても気持ちいい。
くせになる。
唇を離して顔を覗くとさっきよりも赤く染めて、恥ずかしそうに手で口元を押さえている。
「っ…ばか」
「ばかとはなんですか。ばかとは」
「知らないわ、もう」
あ、拗ねちゃった。
ごめんごめん。
いつもは落ち着いた、大人な雰囲気のロビン。
でも本当は結構表情がころころ変わったりする。
笑ったり、拗ねたり、悲しんだり、照れたり。
以外とわかりやすいわよね、この人。
そこが魅力の一つなんだけど。
きっと多分、あたししか知らない。
そんな些細な事がすごく嬉しいの。
あたしだけがわかっていればいい。
だって、ロビンはあたしだけのものなんだから。
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自分でも何が書きたかったのかよくわからないです←
でも変な満足感はあります。
お互いの事をちゃんと理解している二人だと思う。
ナミちゃんの前では子供っぽさが出てれば可愛いなと!
2010.08.25
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