その他
壱
kissして欲しい。
いや、あれは。
kissなんて、甘っちょろいもんじゃなくて。
貪るような。
噛み付くような。
喰らい尽くすような。
顎を掴んで。
顔を挟んで。
目線をそらすことなんか許さない、そんな鋭さで。
後頭部はアンタの手の、kissのときの特等席で。
首は、始まりを告げる愛撫の通り道で。
kissが終わったあとの視線は、あった瞬間が次のkissの合図で。
「……幸村」
今すぐしたい。
噛み付いて。
吸い付いて。
証を付けて。
あぁ、早く。
――アンタの、甘く囁く唇を。
その髪は、月明かりで絹のように輝き。
残された隻眼は、雫を纏い。
普段寄せられている眉は、力無く下がり。
歪められていた唇は、小さな喘ぎと俺の名を呼ぶためだけに。
そして俺の唇は、貴方の唇を吸うために。
「……政宗殿」
不機嫌な声も。
照れた細い声も。
耳をくすぐる濡れた声も。
貴方の声を、聞かせてくだされ。
呼んでくだされ、幸村と。
――その、唇で。
●あとがき●
わーぉ意味不v笑
初サナダテです
ごめんなさいィィイ!
幸村は今回“俺”で(´∀`)
イメージソングは
Acid Black Cherryの『scar』
08.10.22 石月 神無
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