その他
1
「コ、コレは…!?」
最新鋭艦ミネルバのある一室に、アスランの声がこだました。
●オンナのコはファッションが命●
「あ……」
「あ……っ」
「きゃっ」
「………」
シン、レイ、ホーク姉妹の4人で食事をしていると、ぱしゃっという嫌な音がした。
「ちょっとシン!」
「あ、ごめん」
原因はシン・アスカ。
つい手がすべり、向かいのルナマリアのほうへコップを倒してしまったのだ。
ルナマリアの隣に座っていたメイリンは慌てて布巾を取りに、レイは無言でトレイをどかしたりとしている間もぼーっとしたまま。
(やっぱアスランって腰細いよな……)
入れ違いに食堂を出ていったアスランを眺めて、無意識に大惨事を引き起こしてたのだ。
「……あ」
ぱたぱたと走ってくるメイリンを見て、やっと正気に戻ってくる。
「ごめん、ルナ」
「いいけど……あぁ、けっこう飛んじゃったじゃない」
「大丈夫? お姉ちゃん」
「食事も終わっていたようだし、着替えに行ったほうがいいだろうな」
そうするわ、とため息をついて、ルナは席を立つ。
そんなに飛んだか? とのんきにルナマリアの濡れた軍服を眺めた。
お腹と裾、スカートが染みになっている。
その腰まわりを見て、またアスランを思い出す。
前まではそんなに気にもしていなかったが、アスランの一糸纏わぬ姿を見てからというもの、つい目で追ってしまうのだ。
(あ、いいこと思いついたかも)
「ルナ、ほんとごめん。俺が洗って返すから、代わりに俺の着ててよ」
「え……シン?」
「ちょっと待ってて。すぐ持ってくるから!」
「ちょ……っ」
期待に胸を膨らませつつ、軽い足取りで自室へ戻った。
「……替えの軍服ぐらい持ってるんだけど……;」
ルナマリアもレイもメイリンも、走るシンの背中を目で追うことしかできなかった。
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