Target-07:君に出会えた事が奇跡


夕食後、レヴィさんとザンザスさん以外のメンバーで談話室に集まっていた。

私がこの屋敷に住むことになった経緯なんかを話している。


「ししっ、じゃあさくらにぶつかったって言うそのナニカに感謝だな」

「でなきゃ、ミー達さくらに出会えなかったワケですもんねー」


ルッスーリアさんは紅茶を一口すすってから口を開く。


「ねぇさくら、そのぶつかってきた物って、どういう物か見てないの?」

「え…っと―――」


私はしばらく記憶をたどった。

漫画に夢中になっていて、あまり良く見ていない。
だけど、感触なら覚えてる。


「結構小さかったと思います、小石みたいな…あと固かったです。
他はあまり覚えてなくて…まるでパチンコで飛ばされたみたいにすごいスピードで向かってきたんです」

「あらそう…もっと詳しい形状が分かれば、帰る手掛かりになると思ったのだけど」

「―――ざけんな、ルッスーリア!」


突然、ベルさんがテーブルを叩いて立ち上がった。


「来たばっかしで、帰す事なんか考えんなよっ。
まださくらに帰って欲しくねーよ…っ」


―――ベルさん…。
そんな事思っててくれたんだ。

嬉しい反面、複雑な気持ちだった。
私には、向こうの世界に友達も家族もいる。
せっかく会えたヴァリアーのみんなと別れるのも寂しいけど…
元の世界の友達や家族も大好きだから。


「…っ」

「ベルさん!」


ベルさんは、走って談話室から出て行ってしまう。
私は慌ててベルさんを追いかけた。



君に出会えた事が奇跡






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