夕食後、レヴィさんとザンザスさん以外のメンバーで談話室に集まっていた。
私がこの屋敷に住むことになった経緯なんかを話している。
「ししっ、じゃあさくらにぶつかったって言うそのナニカに感謝だな」
「でなきゃ、ミー達さくらに出会えなかったワケですもんねー」
ルッスーリアさんは紅茶を一口すすってから口を開く。
「ねぇさくら、そのぶつかってきた物って、どういう物か見てないの?」
「え…っと―――」
私はしばらく記憶をたどった。
漫画に夢中になっていて、あまり良く見ていない。
だけど、感触なら覚えてる。
「結構小さかったと思います、小石みたいな…あと固かったです。
他はあまり覚えてなくて…まるでパチンコで飛ばされたみたいにすごいスピードで向かってきたんです」
「あらそう…もっと詳しい形状が分かれば、帰る手掛かりになると思ったのだけど」
「―――ざけんな、ルッスーリア!」
突然、ベルさんがテーブルを叩いて立ち上がった。
「来たばっかしで、帰す事なんか考えんなよっ。
まださくらに帰って欲しくねーよ…っ」
―――ベルさん…。
そんな事思っててくれたんだ。
嬉しい反面、複雑な気持ちだった。
私には、向こうの世界に友達も家族もいる。
せっかく会えたヴァリアーのみんなと別れるのも寂しいけど…
元の世界の友達や家族も大好きだから。
「…っ」
「ベルさん!」
ベルさんは、走って談話室から出て行ってしまう。
私は慌ててベルさんを追いかけた。
君に出会えた事が奇跡
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