Target-06:みんな、あたたかい


「みんなぁー、ご飯出来たわよ〜!」


屋敷の中に特徴的な声が響きわたった。
恐らく、声の主はルッスーリア。


「丁度いーや。他の奴らにもさくら紹介するから食堂行こーぜ」

「お腹空きましたねーどっかの堕王子のせいでおやつ食べ損ねましたからー」

「死ねよっ」

「嫌ですー」


いつものどつき合いを横目で見ながら、スクアーロさんの隣を歩く。
そう言えば、私まだルッスーリアやレヴィには会ってないんだよね。


「あの、スクアーロさん。私なんかが皆さんとのお食事の中に入って良いんですか?」

「気にすんな、男ばかりの職場でむさ苦しかったからなぁ。
女が、しかも一般の人間が入るだけで空気が和らぐだろ」

「てめーが言うと変態にしか聞こえねーよ、ししっ」


ベルさんが横から茶々を入れると、スクアーロさんは顔を真っ赤にして怒る。


「う゛お゛おい!どおいう意味だぁ!!」

「うるせーよカス鮫」


2人のやりとりが面白くて、私はついくすくすと笑う。
ベルさんとスクアーロさんは不思議そうに私を見るが、やがて呆れたように微笑んで見せた。












私がスクアーロさんやベルさん、フランさんに連れられて食堂に入ると、ルッスーリアらしき人がこっちを見て首を傾げた。
髪型といいサングラスといい、間近で見るとなかなかに迫力がある。


「スクちゃん、その女の子だあれ?」

「庭で拾ったんだぁ」


拾った、ってあんた。


「こいつが言うには、異世界から来たらしいがな」


唐突に背後から聞こえた低い声。


「ザンザスさん」

「さくら…この屋敷には慣れたか」


ザンザスさんの問いに私は小さく頷いた。


「…はい、少しだけ」

「そうか」


言葉少なに、でも優しく声をかけてくれるザンザスさん。

皆から恐れられてはいるけど、実は優しいひとなんじゃないかと、私は直感的に思った。
超直感なんてないけれど。


みんな、あたたかい



(さくらちゃんって言うのね!食器もう1セット出してくるわ)
(あっありがとうございます、ルッスーリアさん)
(ぬ…妖艶d(ししっ、きめーよ変態雷オヤジ)




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あきゅろす。
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