綱吉はユニの腕を掴んで叫んだ。
「くるんだ、オレ達と一緒に!!」
「!」
ユニの目に溜まっていた涙がこぼれる。
ボスである綱吉の一声に同調し、ユニを守ると決めたボンゴレファミリー。
そして綱吉はさくらとスクアーロに向き直った。
「さくらさんも…オレ達と一緒に来ませんか」
「綱…吉くん」
「俺もいるってことを忘れんなぁ、カスガキ」
「わっ忘れてないよ!」
チョイスが無効となって終わった今、さくらが白蘭の元にいる理由などない。
ユニからの願いもあって、さくらとスクアーロも綱吉たちに同行する。
しかし、チョイスを無効にされた上にさくらの身柄も手放さざるを得なくなった真六弔花が黙っているはずがなかった。
「白蘭様、攻撃の許可を」
「……うん」
白蘭のゴーサインで真六弔花は一斉に綱吉たちに攻撃をしかけた。
先程から殺気立っていたスクアーロが匣兵器で応戦する。
「スクアーロさん!」
さくらが叫ぶ。
ディーノも臨戦態勢に入りながら綱吉を促した。
「奴は時間を稼ぐ気だ。ツナ、ここは一旦引いて態勢を立て直した方がいい」
「でしたら超炎リング転送システムが近くまで来ているはずです」
「転送システムがあれば、並盛に帰れそうだな」
桔梗が、綱吉たちを足止めしようと攻撃を放った。
爆発音と衝撃に襲われるも、獄寺のSYSTEMA C.A.Iが阻止する。
「10代目!今のうちに転送システムへ!」
「ごめん獄寺くん!行こうみんな!」
「…っ、スクアーロさん!!」
さくらは遠方で真六弔花に応戦しているスクアーロを振り返る。
スクアーロは目で、行けと告げた。
「急いでさくらさん!」
綱吉に促され、さくらは転送システムへと走る。
それはボンゴレ基地の上空にあった。
スパナが非戦闘員を安全に送れるように基地に入るよう案内する。
そこへ真六弔花を足止めしたスクアーロたちが追いついてきた。
安堵したのもつかの間、クローム髑髏がボス!と綱吉を呼んでスクアーロたちの背後を指差す。
今度は白蘭自らが追ってきた。
どんな手を使ってでも目的を果たそうとするその執念深さに、さくらの背に嫌な汗が伝う。
「誰が相手だろうと、僕を止めることはできないよ」
「クフフフフ、それはどうでしょうねぇ…僕に限って」
白蘭が言った瞬間、クロームから明らかに少女のものではない声が聞こえた。
皆は驚いて彼女に注目する。
そして、クロームの持つ槍からインディゴの霧が吹き出す。
その霧はやがて人の形を成し、次第に実体を持ってきた。
「あれは!!」
「まさか…」
霧が晴れ、さくらはその人影の姿をはっきりと認めた。
クロームがその名を呟く。
「……骸様」
六道骸が、そこにいた。
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