突然知らされた事実に、さくらは放心状態だった。
指にはめられたこの小さな白い石が、7зと同等のエネルギーを持っている…
すなわち、自分が世界の命運を握っているも同じなのだ。
「そ…そんな…」
「信じられませんか?」
気づけばロッシが手首を拘束していた縄を解いていた。
「白蘭様がさくらを欲しがる理由が、これでわかったでしょう」
自由になった腕で震える体を抑えつけた。
「なんで…私がそんなものを…?」
「あなたが、リングに選ばれた適合者だからです。7зと適合者は引き合う性質を持つ」
「じゃあ…私がこの世界に来たのも…?」
「おそらくは、リングの力によって引き合わされたのでしょう」
さくらにとって、何もかもが信じがたかった。
そもそも、この世界はさくらのいた世界では架空の存在でしかなかったのだ。
漫画に描かれなかったリング。
全ての属性を持った白い炎。
7зとその適合者。
ミルフィオーレファミリーからのスパイ。
すでに、ここはさくらの知るREBORNの世界ではないのだ。
それがたまらなく怖い。
そして、世界の行く末を左右することができるこのリングが怖い。
そのリングに選ばれた自分が怖い。
「いや…っ、嫌だ…いやだ…!」
どんなに抑えつけようとしても、体の震えは止まってくれない。
涙が、乾いた地面にしみを作った。
歯車が狂い始める
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