Target-33:悪夢という名の花束を


side:Tsunayoshi


どこからか聞こえた甘く冷ややかな声にオレは身を凍らせた。


『ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当有意義だったよね』

「…こ…こいつが…」

「白蘭サン!」


ミルフィオーレファミリーを統べるボス、白蘭。
メローネ基地内に、白蘭の立体映像が映し出された。
真っ白な服を纏い、妖しげな笑みを携えて淡々と話す白蘭。


『そろそろちゃんとやろうと思ってさ。
沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、僕のミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね』


正式な力比べ…?


『もちろん7з<トゥリニセッテ>をかけて―――それと、葉月さくらチャンと、クオーレリングもね』

「!?」

「葉月さくらって、あのヴァリアーの…」

「そ、それにクオーレリングって…?」


次々と首を傾げるオレ達。
さくらって子がヴァリアーにいたあの女の子だということは分かったけど、クオーレリングという単語は初めて聞く。


『ああ、クオーレリングっていうのはね、マフィアの間に流れている都市伝説だよ。
全属性と言って、7つすべての属性を持っている、7зとほぼ同じエネルギーを持つ特別なリングのこと』

「…けっ、なんだよそれ。いくらすげぇリングでも、たかが都市伝説じゃねーか」


獄寺くんが言うことはもっともだ。
都市伝説は、あくまで伝説でしかない。


『それがね、クオーレリングは実在するんだよ。
どの世界においてもたった1人しか適合者をもたない、最強のリングがね』


オレは白蘭の言っていることに引っかかりを感じた。
"どの世界においても"たった1人しか適合者をもたない…?


『その適合者っていうのが、さくらチャンなんだよ』



悪夢という名の花束を






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あきゅろす。
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