side:Tsunayoshi
どこからか聞こえた甘く冷ややかな声にオレは身を凍らせた。
『ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当有意義だったよね』
「…こ…こいつが…」
「白蘭サン!」
ミルフィオーレファミリーを統べるボス、白蘭。
メローネ基地内に、白蘭の立体映像が映し出された。
真っ白な服を纏い、妖しげな笑みを携えて淡々と話す白蘭。
『そろそろちゃんとやろうと思ってさ。
沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、僕のミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね』
正式な力比べ…?
『もちろん7з<トゥリニセッテ>をかけて―――それと、葉月さくらチャンと、クオーレリングもね』
「!?」
「葉月さくらって、あのヴァリアーの…」
「そ、それにクオーレリングって…?」
次々と首を傾げるオレ達。
さくらって子がヴァリアーにいたあの女の子だということは分かったけど、クオーレリングという単語は初めて聞く。
『ああ、クオーレリングっていうのはね、マフィアの間に流れている都市伝説だよ。
全属性と言って、7つすべての属性を持っている、7зとほぼ同じエネルギーを持つ特別なリングのこと』
「…けっ、なんだよそれ。いくらすげぇリングでも、たかが都市伝説じゃねーか」
獄寺くんが言うことはもっともだ。
都市伝説は、あくまで伝説でしかない。
『それがね、クオーレリングは実在するんだよ。
どの世界においてもたった1人しか適合者をもたない、最強のリングがね』
オレは白蘭の言っていることに引っかかりを感じた。
"どの世界においても"たった1人しか適合者をもたない…?
『その適合者っていうのが、さくらチャンなんだよ』
悪夢という名の花束を
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