ミルフィオーレ襲撃当日。
屋敷内は殺気がこもり、張り詰めた空気を漂わせている。
「いよいよ今日か…きっと大丈夫だよね」
「何がだ」
自室には自分しかいなかったはずなのに、急に背後から聞こえた声に私は飛び上がった。
気配を殺していた声の主を呼ぶ。
「ざ、ザンザスさん」
「…怖いか」
「!」
今日の戦いは間違いなく血が流れる。
ザンザスさんといえど、圧倒的戦力を誇るミルフィオーレを制するのは容易くない。
守ってもらおうだなんて考えては駄目だ。私は自分で自分の身を守れなければならない。
戦場では臆したものから死んでゆくのだ。
私は改めて、自分が今とんでもない状況下にいることを理解した。
「…怖いです。ミルフィオーレも、これからの戦いも」
「恐怖を覚えることは恥じゃねぇ。
てめぇみたいなガキにとっちゃ生きるために必要なことだ」
予想しないザンザスの言葉に、さくらは目を見開く。
彼なりに励ましてくれているのだろうか。
思わず、笑みがこぼれた。
「なにがおかしい」
「いえ、別に」
「…自分で危ないと思ったらリングに炎を灯せ。
てめぇの白い炎が、てめぇを護る」
「わ、かりました」
―――ついに決戦がくる。
すっかり日が暮れ、星が瞬き始めた。
今夜は晴れだ。
ボンゴレの奇襲作戦を早期に察知したミルフィオーレは、圧倒的戦力でボンゴレの連合ファミリーを追い詰め、勝負はついたかに見えた。
だが、ヴァリアーの急襲によりわずか10分でミルフィオーレの指揮官のいる古城は占拠された。
しかしこれにより、32名しか隊員を持たないヴァリアーは四方をミルフィオーレ勢に囲まれ、窮地に立たされる事となる。
ヴァリアーが占拠したミルフィオーレの古城からは戦闘の煙が立ち、バルコニーにはヴァリアーの隊旗が上がる。
「ゔお゙ぉい!!」
今回、この窮地を脱出し、真六弔花を討つための作戦隊長に任命されたのはスクアーロさん。
その大声が城中に響く。
ザンザスさんと共に城内にいる私は、窓から外に目を向けると祈るように目を閉じた。
「そろそろおっぱじめるぜぇ!!」
We are VARIA!!
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