Target-01:グッバイ、平凡


「平和だなぁ…」

木の太い枝に腰掛け、私は欠伸混じりに呟く。

私は、昼休みのこの時間が好きだった。
この学校一長寿の大木に登り、やさしい風に吹かれながらお気に入りの漫画を読む。
そんな平和な時間。

また、漫画のページをめくる。
ハラハラするバトルや、思わず息を呑むような展開。
7日7晩掛けても、この漫画の魅力は語り尽くせないだろう。

その時だった。


「えっ……わあっ!」


目の前に何か小さな物体が迫って来たと思ったら、それが私の額に激突した。
衝撃と痛みで木の枝からバランスを崩す。
バランスを崩した体は、重力に従って落ちるわけで。


「う…そ…」


しかし突然の事に、私の頭と体は状況に対応できずに真っ逆さまに落下する。

高さ10m弱、3階建ての建物くらいの高さがある。
このままでは死ぬか大怪我だ。

落下していく感覚の後、私の全身は叩き付けられたような衝撃を受けた。

グッバイ、平凡








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あきゅろす。
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